〈鹿児島県沖永良部島〉
離島の課題に寄り添ったチャレンジ。
沖永良部島(知名町、和泊町)における官民一体でゼロカーボンアイランドへ。

  • 注)
    このページの掲載内容は取材当時のものです。

鹿児島県沖永良部島

環境
  • 持続可能な開発目標(SDGs)のロゴ
  • 7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 13 気候変動に具体的な対策を

ゼロカーボンアイランドの実現に向け、
リコージャパンは沖永良部島の取り組みを全力でサポートしています。

INTRODUCTION

沖永良部島は、鹿児島市から南へ552km、北緯27度線の上に浮かぶ周囲55.8km、面積93.8km2の隆起サンゴ礁の島です。
年間平均気温22度という温暖な気候に恵まれ、四季を通じて熱帯、亜熱帯の花々が咲き、エラブユリ、スプレーキクなどの栽培も盛んです。

知名町

沖永良部島西部に位置する町。
字(あざ)と呼ばれる21の集落に分かれ、各集落では地域の清掃活動や防災活動が行なわれるほか、季節ごとにイベントを開催し住民同士の交流を深めています。

和泊町

沖永良部島東部に位置する町。
より多くの方が和泊町に興味を持ち、移住や定住されることを目的とした「くらすわどまり」を運営。
移住体験ツアーや移住体験プログラムなどを積極的に発信しています。

PROJECT STORY

きっかけは知名町庁舎移転の話

国の交付金を活用し、庁舎内の文書管理についてリコージャパンが知名町総務課と協議を重ねていた2020年春、新庁舎建設のご担当者様との会話の中で「新庁舎の機能的なレイアウトをどう進めたらよいか困っているので、支援いただけないか」とご相談を受けました。
そこで企画振興課 課長補佐の永野様を訪ね、新庁舎建設計画の内容とお困りごとをお聞きすると、専門知識を持った人材はいないし、人手も足りず大変困っているとのことでした。
リコージャパンがご支援した他自治体での庁舎移転事例やその他お役立ち領域を広くご紹介したところ、リコーグループの環境事業への取り組みに着目されました。なぜなら、沖永良部島に限らず、離島は台風などの自然災害も多く、電気などの社会インフラを自立・自走できるように、新庁舎は「離島初の環境配慮型庁舎にしたい」との想いを町長がお持ちだったからです。

新庁舎は環境配慮型に

課題

議論を重ねた結果、新庁舎の建設に向けて課題は大きく3つありました。

1.災害に強い新庁舎を目指したい

離島は地球温暖化に起因する自然災害が顕著なことから、エネルギーの自給自足ができる庁舎

2.人手不足

庁舎建設や移転のような事業について、新たに人員を配置する余裕がないこと

3.信頼できるパートナーが必要

専門的な知識を有しつつも、知見の共有や率直な対応ができる相手が必要であったこと

解決

リコージャパンはこれらの課題解決案を含むご提案を行ない、2つの業務を受託しました。

  • 再生可能エネルギー計画づくり調査策定業務

  • 新庁舎設計に伴うZEB注1化コンサルティング業務

ご提案で喜ばれたことは、協業パートナーとの連携で補助金獲得支援、FS注2調査から計画策定らをサポートできる実務だけでなく、コロナ禍でもリアルとリモートでのコミュニケーションが適宜可能な安心感、これまでの包括連携協定の実績やRE100注3、ZEB事業所などの実践事例による信頼感がありました。

  • 注1)
    ZEB:
    Net Zero Energy Building 年間で消費する建築物のエネルギー量が大幅に削減されている建築物。
    省エネ基準に対してZEB(100%以上減)、Nearly ZEB(75%以上減)、ZEB Ready(50%以上減)がある。
  • 注2)
    FS調査:
    Feasibility Study 可能性についての事前調査
  • 注1)
    RE100:
    事業運営に必要な電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が加盟する国際的なイニシアチブ。
    リコーは、2030年までに少なくとも電力の30%を再生可能エネルギーに切り替え、2050年までに100%を目指す。

離島モデルの仲間づくりから先行モデル地域へ

環境配慮型新庁舎の建設に向け議論を重ねる中、環境省から新たに大型事業が発出されました。(脱炭素先行地域)
ただし採択されるには、新庁舎ZEB化の話だけでなく広範囲な事業に取り組む必要がありました。さらに「知名町単独よりも島全体で離島モデルを目指した方が採択されやすい」と、隣町の和泊町にも共同で事業に取り組むことをご提案しました。
サステナブル経営推進機構様のご尽力もあり、和泊町の前(すすめ)町長とも合意することができ、主提案者を知名町、共同提案者を和泊町、サステナブル経営推進機構、リコージャパンという体制で応募。
そして、ついに2022年4月26日、本応募は離島モデルとして「第1回脱炭素先行地域」に見事採択されました。
リコージャパンは共同提案者としてこの事業を三者と共に進めてまいります。

チャレンジ項目

脱炭素化に向けた離島モデルの構築
  • 新庁舎および公共施設のZEB化

  • マイクログリッドの構築

  • EVの促進

  • 生ごみの資源化など

写真左から
一般社団法人サステナブル経営推進機構 壁谷 武久 様
和泊町 前 登志朗 様
知名町 今井 力夫 様
リコージャパン自治体事業部 髙橋 卓也

TOPICS

交流型観光拠点施設「エラブココ」における心温まるエピソード

「エラブココ」は、沖永良部島発の新たな産業の創出、既存産業の高付加価値化につなげることを目的とし、コワーキングスペース、シェアオフィス、レクチャールーム、観光案内や特産品販売などの機能を備えた複合施設として2018年に開設。リコージャパンは拠点整備の一翼を担いました。
夏休みの宿題をきっかけに、海ごみ問題に興味を持った 竿(さお)りりさん。
当時9歳だったりりさんは、家族で「うじじきれい団」を結成。海岸へ漂着するごみの清掃活動に取り組んでいました。
その取り組みが注目され、横浜で開催される日本共生科学会の一般公開シンポジウムで実践報告を行なうことになりました。
しかし、シンポジウムの開催日程は弟の出産予定日前後。
出産という家族の一大イベントを、“みんなで力を合わせて迎えたい”、“新しい家族をみんなで歓迎したい” 。
そして何より、“母のサポートをみんなでしたい”。
一時は出席を断念しようと考えたりりさんでしたが、「エラブココ」に配備されているWeb会議システムの存在を知ります。
同学会の主会場である神奈川県横浜市のニュースパークと「エラブココ」をリモート接続し、参加を実現することができました。
「学会にも参加できたし、弟の誕生も家族で迎えられた。リコーさんの機器にどうもありがとう!」との気持ちから、リコーの山下社長宛にお手紙を書いたりりさん。
小さなお客様からの感謝の言葉に感銘を受けた山下社長は、このあとりりさんにビデオメッセージを送っています。
Web会議システムの活用により、物理的な距離の課題を乗り越え、りりさんの強い想いを届けることができたとても心温まるエピソードです。

エラブココ

「エラブココ」は、沖永良部島の観光拠点施設。
沖永良部島の豊かな自然を体験するプログラムをはじめ、観光案内パンフレットの配布、特産品やおみやげの販売を行なう。
フロア内にはコワーキングスペース、ビジネスルーム、シェアオフィス、レクチャールームが完備され、用途に合わせて活用することができる。

  • 注)
    沖永良部島の観光については、一般社団法人 おきのえらぶ島観光協会事務局までお気軽にお問い合わせください。

一般社団法人 おきのえらぶ島観光協会

営業時間 10時から17時まで
定休日無し(年末年始休業有り)
所在地 〒891-9202
鹿児島県大島郡知名町屋者1029-3
TEL 0997-84-3540
FAX 0997-84-3966
駐車場 30台(無料)

REAL VOICE

知名町 企画振興課
課長補佐
永野 道也 様

知名町新庁舎建設および脱炭素先行地域申請におけるリコージャパン株式会社様の専門的な知識もさることながら、協働して物事を進める姿勢に大変感謝しております。
今後とも、沖永良部島の脱炭素化に向けた離島モデル構築へ向け、協力をいただきながら、子や孫が誇れるまちづくりに推進いたします。

和泊町 企画課
主査
島田 裕治 様

リコージャパン株式会社様のご支援もあり、第一回脱炭素先行地域に選定され沖永良部島の脱炭素化を目標に取り組みを進めているところです。
離島であるがゆえの課題もたくさんある中で、我々の事情に寄り添ったご提案、ご助言をくださり大変感謝しております。
今後ともご協力をいただきながら、住民の皆さんが安心して笑顔で暮らせるまちづくりを推進し、持続可能な沖永良部島の実現に向け努めてまいります。

お問い合わせ

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