サイボウズ株式会社の『kintone』は、ノーコードで業務アプリを作成できるクラウドプラットフォームです。そのOEM版である『RICOH kintone plus』は、kintoneにリコーが一部機能を追加した製品です。本記事では、リコージャパンが協業を推進するDXエコシステム構想の先駆けとなった『RICOH kintoneplus』開発のキーパーソンであるサイボウズ株式会社の谷口修平様と、展開を担当する石井優様、そしてリコージャパンの中嶋祐、藤澤順一に、開発の経緯や展開状況を伺いました。
藤澤:協業のきっかけは、社長同士の意気投合でした。2022年4月の合同発表で「10月リリース」と聞き、率直に言えば、この短期間での新商品開発は簡単ではないと感じました。 ただ、当時の上司と谷口さんが水面下で話を進めていたことを知らず、「サイボウズさんとタッグを組むべきだ」と話していたこともあり、発表後に私がkintone担当に任命されました。
谷口:検討は少し前の1月にスタートしましたが、当初はインサイダー情報だったため、社内でも一部の関係者しか把握していませんでした。サイボウズとしては初のOEMとなることから、全社的な対応が必要となり、そのうえで合同発表に至りました。発表後の開発の動きは非常に早く、藤澤さんと密に打ち合わせを重ねながら、10月リリースをマイルストーンとして逆算し、開発を進めました。
サイボウズ株式会社
事業戦略本部 副本部長 国内ソフトウェア事業統括
谷口 修平 様
藤澤:kintoneという完成度の高いプラットフォームがすでにある中で、中途半端なOEMでは意味がありません。リコーの営業が提案しやすく“より良い”と感じられる価値は何かを考えました。RICOH kintone plus の無料機能は、シンプルで気軽に使えるお試し版のような性能を意識しました。
谷口:ロゴの変更機能などの一部の追加開発はあるものの、基本となるプラットフォームはkintoneそのものです。そこにリコーさんの基盤との認証連携や帳票印刷など、kintoneを利用するお客様に役立つ機能を付加していただきました。OEMとしての付加価値の多くはプラグインによるものです。
リコージャパン株式会社
デジタルサービス企画本部 アプリケーションサービス事業センター
アプリケーション戦略室 kintoneグループ リーダー
藤澤 順一
谷口:「クラウドサービスのOEMとはどういうことなのか」という考え方については、何度も討議しました。提供オペレーションや両社の責任分担、データの取り扱いは契約にも影響するため、初めてのOEMだからこその検討も多かったです。正直なところ契約面はかなり大変でしたね。
藤澤:商品化に向けての契約は一番難しかったですね。もちろんそれぞれの立場はありますが、目指す方向は同じなので両社はすごくマッチしていたんです。サイボウズさんは本当に私たちの目線で動いてくれて、すごいと思います。コーポレートの色というか、関わる人に寄り添い、一緒に考える雰囲気が似ているかもしれません。
谷口:既存のパートナー企業さんが有償販売するプラグインと機能が重なる部分もあり、長年お付き合いのあるパートナー様との関係性も踏まえて、発表直後は社内でもさまざまな意見が出ました。
藤澤:私が気をつけたのは、すでにkintoneのエコシステムがあり、サイボウズさんのパートナー各社が一丸となってkintoneビジネスを盛り上げていたことです。私たちも仲間として融和することに気を遣いました。RICOH kintone plusには既存プラグインに近い機能もあったため、該当する企業様に訪問し、目的や狙い、機能の切り分けを説明してご理解いただきながら進めました。
石井:リリース当初、私は地域でリコージャパンさんと一緒にお客様への提案活動に取り組んでいました。グループウェアの販売から始まった深い付き合いもあり、kintone特有の売り方や、お困りごとを伺いながら商談につながる活動を全国に広げています。私たちが一番期待したのが全国展開するリコージャパンさんとその先の販売パートナー様による販売力です。これまで接点を持ちづらかった地域のお客様にもkintoneの価値を届けられるようになりました。
中嶋:kintoneは中小企業から大企業、さらには自治体まで、業種や規模を問わず活用できる点が大きな魅力です。特定業務に縛られず課題解決できるため、価値提供の幅が非常に広がっています。
サイボウズ株式会社
営業本部 副本部長 パートナー統括
石井 優 様
谷口:この4年間で、リコーさんの開発スピードや品質管理の高さを強く感じています。今後は技術面や開発部門での連携や人材交流も進め、互いの強みをさらに活かしたいですね。
藤澤:今後も谷口さんと一緒にkintoneをパワーアップする開発ができればよいと思います。RICOH kintone plusの設計部門にはkintone愛が強い人が集まっていて、「こんなものを作ってみたけれど、どうだろう?」と持ち寄る文化があります。社内から見てもリコーらしからぬスピード感と、サイボウズさんのフットワークの軽さがうまく融合していると感じます。
石井:kintoneの可能性はまだまだ広がります。これまでプロモーションをかけても十分に価値をお伝えしきれなかったお客様へもRICOH kintone plusの付加価値を通じて業務効率化をご支援できるよう、引き続きアイデアを出し合いながら協業して展開していきたいです。
中嶋:kintoneに対する社内人材育成の支援も含め、サイボウズさんとの結びつきは非常に深いものがあります。これからも共に成長しお客様の業務を支えていきたいと考えます。
リコージャパン株式会社
デジタルサービス企画本部
アプリケーションサービス事業センター アプリケーション戦略室
室長 中嶋 祐
サイボウズ株式会社様は、ノーコードで業務のシステム化や効率化アプリの作成ができるクラウドサービスのプラットフォーム『kintone』や中小企業向けグループウェア『サイボウズOffice』などオフィス向け製品を提供中です。