入退室管理システムとは、オフィスの出入り口や重要情報の保管室などに専用のリーダーや電子錠を設置し、
「誰が」「いつ」「どこに」出入りしたかをデジタルで記録・制御する仕組みです。
従来の金属製の鍵とは異なり、従業員ごとに異なる権限を付与でき、紛失時もシステム上で即座に無効化できるため、
物理的なセキュリティレベルを飛躍的に高めることができます。
入退室管理システムが必要とされる最大の背景は、企業が守るべき情報資産の高度化と、コンプライアンスへの厳しい要求にあります。
物理的な鍵による管理では、「誰がいつ部屋に入ったか」の客観的な記録を残せず、鍵の紛失や複製による部外者の立ち入りを防ぎきれません。
また、個人情報や機密情報を取り扱う企業にとって、PマークやISMSの取得・更新は社会的信用の基盤です。
これらの認証基準を満たすためには「物理的な区画管理とアクセスログの保存」が必須要件となっており、
企業の信頼を守りトラブル発生時の原因究明を行うために、システムによる厳格な管理が強く求められています。
入退室管理システムを導入することで、オフィスのセキュリティ強度を高めるだけでなく、
鍵の管理に関わる総務・情報システム部門の業務負担を大幅に軽減できます。
ここでは、入退室管理システムを導入することによって得られる主な4つのメリットを解説します。
万が一、ICカードやスマートフォンなどの鍵を紛失した場合でも、管理画面から該当するアカウントの権限を即座に無効化できます。鍵穴ごと交換するような莫大なコストや、紛失中の不正侵入リスクを抑えられます。
「誰が、いつ、どの扉を解錠して入室したか」というデータがシステムに自動で蓄積されます。手書きの入退室簿への記入漏れや改ざんの心配がなく、監査時に提出できる信頼性の高い客観的なログを常時保持できます。
「一般社員はオフィスエリアのみ」「サーバー室や役員室は特定の管理職のみ」といったように、従業員や役職、時間帯に応じた入室制限を個別に設定できます。内部不正の抑止や、重要情報の漏洩防止に直結します。
従来の金属製の鍵のように、毎朝・毎晩の鍵の貸し出し簿への記入、鍵の複製、紛失時の在庫確認といったアナログな管理業務が軽減されます。総務担当者の日常的な事務負担を軽減します。
入退室管理システムは、データの管理方法やサーバーの置き方によって主に2つのタイプに分けられます。
自社のITインフラや拠点数に合わせて選択しましょう。
| 種類 | 特長 |
|---|---|
| クラウド型 | インターネット上にあるサーバーで入退室ログや権限を一元管理するタイプです。自社でサーバーを保有・管理する必要がないため初期費用を抑えられ、小規模オフィスから導入可能です。複数拠点の入退室状況をブラウザー一つでリアルタイムに一括管理できます。 |
| オンプレミス型 | 自社のオフィス内やデータセンターに専用の管理サーバーを設置して運用するタイプです。インターネットから完全に隔離したローカル環境での運用が可能なため、極めて高いセキュリティポリシーを持つ大企業や官公庁、金融機関などに選ばれています。 |
入退室管理システムは何を鍵にするか(認証方法)によって、日々の使いやすさとセキュリティ強度が大きく変わります。
自社の業務スタイルに合わせて最適な方法を組み合わせましょう。
カメラに顔を向けるだけで、AIが瞬時に本人の身体的特徴を識別する認証方法です。非接触のため極めて衛生的であり、顔写真データから簡単に登録できる高い利便性を備えています。生体認証であるためカードの貸し借りやなりすましは不可能であり、鍵そのものが本人のため紛失リスクもありません。小〜中規模のオフィスを中心に、スピーディーかつ高いセキュリティと衛生面を求める環境に最適です。
専用のセンサーに指先を触れ、指紋パターンを読み取る実績のある生体認証です。生体情報を用いるため、なりすましや貸し借りのリスク、紛失リスクは一切ありません。中規模の運用に向いており、スピーディーな認証が可能ですが、利用者の肌の乾燥や手荒れの状態によっては一時的に認証しづらくなることがあるため、運用の際にはその点への配慮が必要です。また、センサーに直接触れるため、衛生面では他人が触れた場所に触る必要があります。
指や手のひらの皮膚の下にある血管のパターンを識別する、非常に強固な生体認証方法です。偽造が極めて困難で、なりすましや紛失リスクがない高い安全性を誇り、小〜中規模の重要区画管理に適しています。ただし、他の生体認証と比べると読み取りにやや時間を要する点や、指紋認証と同様にセンサーへ直接触れるため、他人が触れた場所に触れる必要があるという衛生面の特性があります。
既存の社員証や交通系ICカードを専用リーダーにかざして解錠する、大規模オフィスで最も広く普及している方法です。カード登録機を使って簡単に入退室権限を登録でき、朝の混雑時でもスピーディーな認証・スムーズな入室動線を確保できます。リーダーにほぼ触れることなくおおむね衛生的に利用できますが、物理的なカードを用いるため「容易に貸し借りができてしまう」「紛失のリスクがある」という管理上の注意点があります。
扉の横に設置されたパッドに、あらかじめ設定した特定の暗証番号を入力して解錠する方法です。物理的な鍵の受け渡しや初期の登録の手間が一切なく、小規模なスペースへ手軽に導入できます。一方で、番号を入力する手間に加え、暗証番号が第三者へ流出するリスクがある点、テンキーのボタンに直接触れるため衛生面で他人が触れた場所に触る必要がある点に留意して運用する必要があります。
|
顔認証
|
指紋認証
|
静脈認証
|
非接触
ICカード |
テンキー
方式 |
|
|---|---|---|---|---|---|
| 運用規模 | 小〜中 | 中 | 小〜中 | 大 | 小 |
| 認証速度 | ○ スピーディーな認証 |
×
読み取りに時間を 要する |
○ スピーディーな認証 | × 番号入力に時間を要する | |
| 安全性 (なりすまし対策) |
○ 生体認証のため、なりすましは不可 | × 容易に貸し借りできる |
×
番号流出の リスクあり |
||
| 紛失リスク | ○ なし | × あり | △ 番号流出の恐れ | ||
| 利便性 | ○ 顔写真から登録可能 | △ 乾燥や手荒れで認証しづらいことがある |
○
カード登録機で 受け渡しや登録可能 |
○
受け渡しや 登録の手間なし |
|
| 衛生面 | ○ 非接触のため衛生的 | × 他人が触れた場所に触る必要がある |
△
ほぼ非接触のため おおむね衛生的 |
×
他人が触れた場所に 触る必要がある |
|
入退室管理システムが記録する人が移動した事実は、オフィスの防犯カメラやバックオフィスの勤怠管理システムと連携させることで、その真価をさらに発揮します。
例えば、防犯カメラと連携すれば、「カードが解錠された瞬間」の前後数秒間の映像を自動で紐付けて保存できます。
これにより、1人の解錠で複数人が同時に入る共連れや、他人のカードを使ったなりすましを映像で捕捉し、不正侵入を未然に防ぎます。
また、勤怠管理システムと連携させた場合、オフィスの最初の入室時刻と最後の退室時刻を、従業員自身が申告する打刻時間と自動で照合することが可能です。
自己申告と実際の在社時間に大きな乖離がある場合をシステムが検知できるため、労務管理の透明性を高め、健康経営を推進する強固なガバナンス基盤を構築できます。
認証ログを打刻データとして連携できます。勤怠システム連携をすることで、労務改善、ステルス残業対策、勤怠と最終退室の乖離確認などに活用が可能です。
入退室ログからワンクリックで録画映像を再生できます。1認証端末に最大2台までカメラを連携することができ、死角のない証跡管理でセキュリティを強化。
入退室管理システムには、オフィスの出入りを安全かつスムーズにコントロールするための多彩な機能が備わっています。
日々の安全運用を支える主要な機能をご紹介します。
管理画面から特定の扉をリモートで解錠・施錠できます。また、「平日の9時〜18時は自動でオープン、それ以外の時間は要認証」といった曜日や時間帯に応じた解錠スケジュールの設定も可能です。
「入室時の打刻ログがないと、退室時の解錠を認めない(またはその逆)」というルールを強制する機能です。1人が解錠した扉に続いて複数人が入る共連れによる、ログのない不審者の滞留を完全に防止します。
扉が解錠されたまま一定時間が経過した場合や、認証エラーが連続して発生した場合、扉が無理やりこじ開けられた場合などに、管理者にメールやアラームで即座に通知し、迅速な初動対応を可能にします。
入退室管理システムは、企業の規模や拠点の形態、取り扱う情報の重要度に応じて、様々な場面でオフィスの安全と快適性を支えています。
顧客データや重要書類を保管する特定の部屋の前に、高精度な顔認証リーダーを設置。許可された一部のコアメンバーしか扉を開けられないように設定し、内部の人間による機密情報の持ち出しや、不審者の立ち入りを完全にブロックします。
本社にいながら、全国の支店や新設したサテライトオフィスの入退室権限をブラウザ経由で一括コントロール。現地に管理者が常駐していなくても、新規採用者のICカード登録や退職者の権限削除が即座に行え、運用コストを削減します。
夜間や休日のオフィスへの立ち入りを原則禁止、または事前申請した従業員のみ解錠できるようにシステムで制限。深夜の予期せぬトラブルや防犯対策として機能するだけでなく、不必要な休日出勤や長時間労働を抑制する効果も生みます。
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担当スタッフよりご連絡いたします。お客様の抱えている課題、プロジェクトのご状況などぜひお聞かせください。
お客様に伺った情報を下にニーズに沿った最適なご提案を差し上げます。ご不明点やご相談があれば、どうぞお気軽にお申し付けください。
入退室管理システムの導入費用は、「設置する扉の数」と「どの解錠方法を選ぶか」、そして「配線工事の有無」によって大きく変動します。
扉1枚あたり、後付けのスマートロックであれば数万円〜十数万円程度、電気錠の埋め込み工事や配線工事を伴う本格的なシステムの場合は30万円〜100万円程度が相場です。これには、ハードウェアの代金、施工取付費、初期のシステム設定費が含まれます。
クラウド型の場合、扉1枚あたり、あるいは1ユーザーあたりで課金され、月額数千円〜2万円程度が一般的です。自社サーバーを設置するオンプレミス型の場合は、月額のシステム利用料はかかりませんが、年間の保守・メンテナンス契約料が発生します。
入退室管理システムは、設置する建物の構造や、扉の形状、利用する従業員の動線によって最適な製品が異なります。
以下の4つの視点で自社に最適なシステムを選定しましょう。
オフィスの自動ドア、木製の開き戸、ガラス扉など、設置したい扉に電気錠やリーダーが物理的に取り付けられるかを確認します。賃貸オフィスなどで壁や扉に穴を開けられない場合は、後付け可能なスマートロックタイプが有力な選択肢になります。
社員証を利用するのか、スマートフォンを鍵にするのか、あるいは顔認証などの生体認証にするのかを選びます。現場の利便性と、求められるセキュリティレベルのバランスを見極めることが重要です。
複数拠点の一元管理や、出先からの権限変更を行いたい場合は、サーバー不要で手軽に導入できるクラウド型がおすすめです。一方で、自社の社内ネットワーク内で完全に閉じられた運用を行いたい場合はオンプレミス型が選ばれます。
入退室管理は「万が一開かない」「システムがダウンした」といったトラブルが事業の停止に直結します。全国に拠点があり、迅速なトラブル対応や保守メンテナンスを行ってくれる信頼できるパートナーから導入することが重要です。
入退室管理システムは、オフィスの扉への施工やネットワーク構築を伴うため、
「導入までにどのような準備が必要か分からない」と不安に思われる担当者様も少なくありません。
リコージャパンでは、お客様の負担を最小限に抑え、スムーズかつ確実に運用を開始できるよう、
事前のヒアリングから納品まで万全の体制でサポートいたします。
入退室管理システムの導入を成功させるためには、以下の点に注意が必要です。
扉への電気錠の設置や配線工事を行う際、ビルのオーナーや管理会社への事前申請と許可が必要です。
壁や扉に穴を開けられない場合は、退去時に元の状態に戻しやすい後付け用のスマートロックなどを選択する必要があります。
万が一の火災や地震による停電が発生した際、セキュリティを優先して扉が閉まったままになると避難の妨げになります。火災報知器と連動して「非常時には自動で全面解錠される」といった安全設計が組まれているかを確認してください。
「ICカードを家に忘れた」「スマートフォンが充電切れで開かない」といった日常的なトラブルに対する運用ルールを事前に決めておくことが、現場を混乱させないポイントです。
私たちが提供するデジタルサービスとワークプレイスソリューションは、日々の業務におけるセキュリティリスクや管理の手間をデジタル技術によって軽減し、働く人のパフォーマンス向上と効率的な業務運営の実現に貢献します。
入退室管理システムの導入にあたっては、システム単体のご提供にとどまらず、勤怠管理システムや監視カメラといった連携ソリューションを含めた総合的なご提案が可能です。さらに、システムと空間をシームレスに融合させたトータルなオフィス構築までワンストップで請け負うことで、お客様の多様な働き方を支えるセキュアで快適な環境を実現します。
リコージャパンでは、セールス約7,600名、カスタマーエンジニア約4,100名、システムエンジニア約1,300名、コンタクトセンター約900名を全国各地に配置し、大企業から地域の中小企業まで幅広くサポートしています。
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入退室管理システムは、セキュリティレベル・認証方式・運用性・拡張性を基準に、自社の運用に合ったシステムを選定することが重要です。
入退室管理に加え、勤怠管理や来訪者管理、重要エリアのアクセス制御、複数拠点管理など、セキュリティと業務効率化に幅広く活用できます。
鍵の紛失・複製リスクを低減し、入退室履歴やアクセス権限を一元管理できます。さらに、鍵管理の手間を削減し、セキュリティと運用効率を向上します。
扉の仕様や設置環境、電源・ネットワーク、認証方式、他システムとの連携可否などを事前に確認することが重要です。現地調査を行うことで、最適な構成をご提案します。
リコーは入退室管理だけではなく、受付システム、会議室・座席管理、監視カメラ、ネットワークなどを組み合わせ、オフィス全体のセキュリティと業務効率化をワンストップでご支援できることが強みです。
現地調査・設計・施工・導入後の保守までワンストップで対応します。全国のサービス体制により、万が一のトラブル時も迅速にサポートいたします。
リコーグループは創業の精神「三愛精神(人を愛し 国を愛し 勤めを愛す)」のもと、お客様の“はたらく”に寄り添い続けてきました。
1936年の創業から現代まで、働き方は大きく変わりました。それでも、はたらくことで得られる達成感や充足感、自己実現の歓びは、今も変わらず人の原動力であり続けています。
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