エネルギーや資源の枯渇は、持続可能な社会を目指すうえで極めて重要な課題の一つです。近年、人口増加や産業の拡大によりエネルギー需要が世界的に拡大し、資源の限界が明らかになりつつあります。
こうした状況に対応するためには、環境面、経済面からエネルギーと資源の持続可能性を軸に据えた取り組みが求められます。特に、循環型経済の導入や再生可能エネルギーの活用は、資源の枯渇リスクを軽減し、地球環境を守るための重要な戦略です。
本記事では、エネルギー資源枯渇の現状と循環型社会への方策を整理し、各種政策をご紹介します。
化石燃料は長年にわたり世界の主要なエネルギー源として利用されてきましたが、その埋蔵量には限界があります。
資源エネルギー庁によれば、世界の石油確認埋蔵量は2020年末時点で約1.7兆バレル。可採年数は53.5年としています。(参照*1)
しかし、石油への需要は減っていません。実際、OPECの石油市場報告書「Monthly Oil Market Report」によると、世界経済の成長により2025年には前年比1.40%増の日量1億520万バレル、2026年に前年比で1.36%増の日量1億663万バレルになると予測しています。(参照*2)
そのため、化石燃料を多量に消費する産業セクターでは、掘削コストの上昇や環境規制の強化にも直面しており、省エネルギー化や効率的利用の重要性が増しています。
加えて、化石燃料の偏在性も大きな課題です。資源埋蔵国が限られるため、需給バランスが不安定となり、地政学的リスクや国際情勢の変化によって取引価格が大きく変動することがあります。
日本は原油の約9割を中東から輸入しているため、中東地域の政情不安が供給遅延リスクを高めています(参照*3)。
需給バランスが崩れると、燃料コストの上昇や電力供給の不透明感が深刻化し、企業や自治体の経営戦略にも大きな影響を与えます。
そのため、石油・石炭などの従来型資源に過度に依存するのではなく、複数のエネルギー源を組み合わせる柔軟な体制や、地域ごとの自給自足体制の検討が求められています。
こうした取り組みは安定供給の確保だけでなく、温室効果ガスの削減や資源利用効率の向上にもつながり、持続可能な社会の構築に寄与します(参照*3)。
こうした状況に対処するべく、特に「循環型経済モデル」と「再生可能エネルギー」についての政策がクローズアップされています。
循環経済モデル(サーキュラーエコノミー)とは、製品や資源をできるだけ長く活用し、廃棄物を最小限に抑える経済の仕組みです。具体的には、製品設計の段階から再利用やリサイクルを見据え、製造時や使用後の廃材を新たな原料として再利用するだけでなく、使用済み製品や部品をそのまま再使用(リユース)することや、部品を取り出して再製造(リマニュファクチャリング)する仕組みを構築します。これにより、炭素資源の枯渇回避と環境負荷の低減が期待できます。
たとえば、環境省は令和5年版環境・循環型社会・生物多様性白書にて、2030年に向けた施策の方向性として、
循環経済モデルの導入によって、原材料調達コストや廃棄物処理コストの削減といった経済的メリットも見込めます。日本政府は2030年までに循環経済関連ビジネスの市場規模を現在の約50兆円から80兆円以上へ拡大する目標を掲げており、資源循環の推進が経済成長や安全保障にも寄与するとされています(参照*4)。
中でも炭素資源は、化石燃料だけでなく有機性廃棄物やCO2など多様な形で存在しています。近年は、石油由来のプラスチック削減やバイオマス資源の活用、CO2の回収・再利用技術の研究開発が進んでいます。例えば、CO2を合成燃料やメタン、化学品に変換する技術や、バイオマスを発電や燃料に活用する取り組みが広がっています(参照*5)。
資源循環システムの構築には、生産から廃棄に至るまでのライフサイクル全体を見据えた取り組みが必要です。製品設計の段階で分解、修理、再組み立てをしやすくし、消費者がリユースやリサイクルを積極的に行える環境を整えることが求められます。行政による廃棄物処理インフラの整備や、事業者への補助制度も重要な役割を果たします(参照*6)。
また、企業間の連携や情報共有も不可欠です。原材料供給者、製品メーカー、リサイクル業者がデータを連携し、有効なリユースルートや再生プロセスを確立することで、資源浪費や廃棄を抑制できます。こうした総合的な取り組みが、エネルギーと資源の枯渇回避や持続性向上の確かな道筋となります。
実際に、食品廃棄物の飼料・肥料化や、廃油・廃プラスチックからの再生燃料開発など、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルの取り組みが拡大しています。
こうした動きは、自治体や非営利組織との連携を通じて社会全体へ広がり、持続可能な資源利用の推進に寄与しています。
再生可能エネルギーの導入は、資源枯渇の回避だけでなく、脱炭素社会の実現にも直結しています。太陽光や風力、水力、地熱、バイオマスなど、地域の特性に応じた発電方式を選択することで、化石燃料依存からの転換が進み、エネルギーの地域分散化による災害時のリスク分散効果も期待できます(参照*7)。
日本では、2030年度のエネルギーミックスにおいて再生可能エネルギー比率を36〜38%に拡大する目標が掲げられており、太陽光や風力発電の導入が加速しています(参照*4)。
一方で、設備投資や送電インフラの整備、季節変動や天候による出力変動への対応など課題も残っていますが、技術革新や政策支援によってコスト低減と事業性向上が進んでいます。再生可能エネルギーの拡充は、安定供給と環境保護の両立を実現するうえで重要なポイントです。
エネルギーミックスとは、発電や熱供給などに用いるエネルギー源を複数組み合わせる方策を指します。
そのため、政府は「第7次エネルギー基本計画」において、2040年度のエネルギーミックスにおいて、2040年度に、2013年度比で温室効果ガス73%削減、2050年にカーボンニュートラル実現といった野心的な目標を設定しています。
2040年度にはトータルでの発電電力量が1.1~1.2兆kWh程度と大幅に増えることが想定されていますが、目標ではエネルギー自給率は3~4割程度まで増加、電源構成は、再生可能エネルギーを4~5割程度、原子力を2割程度、火力を3~4割程度に抑制することが定められています。
計画通り最適化を進めるには、各エネルギー源の導入コストや稼働状況を正確に把握し、将来的な技術進展や市場価格の動向を見据えて長期的に検討することが必要です。(参照*8)
エネルギーと資源の枯渇は、特定の地域や産業だけでなく、私たち全員が直面する地球規模の課題です。化石燃料など有限な資源への依存度を下げるには、再生可能エネルギーの導入や循環型経済モデルの推進など、多角的なアプローチが必要です。
そのためには、技術革新や制度設計、教育や意識啓発などを統合的に進めることが重要です。
持続可能な社会への変革には、専門家だけでなく一般市民も主体的に参加し、消費行動や日常習慣を見直すことが求められます。エネルギー資源を大切に使い、次世代へ引き継ぐために、今こそ協力と行動を積み重ねる時です。
エネルギーや資源の確保が重要性を増す中、限られた資源を循環させる仕組みづくりは、あらゆる産業に共通する課題です。特にプラスチックは種類ごとに特性が異なり、正確な分別が再資源化の効率や品質を左右します。
こうした背景から、現場で素材情報を正確に把握し、分別精度を高める取り組みが、資源循環を進めるうえで重要になっています。
では、どうすれば、マテリアルリサイクルを加速させることができるのでしょうか。さまざまな種類があるプラスチックを正確に分別できれば、マテリアルリサイクルが加速します。
そのお役に立てるデバイスとして「樹脂判別ハンディセンサー」を開発しました。リコーの樹脂判別ハンディセンサーを使用すると、13種類の主なプラスチックを簡単に識別することができ、さらに最大100種類までのデータを登録してカスタマイズすることが可能です。
日々様々なシーンで利用しているからこそ、しっかり判別して再利用率を高め、環境にやさしい使い方をしていきましょう。
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