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「市民開発」をアジアの拠点へも。
海外のDX推進を支えるRICOH kintone plusチームの挑戦

日本本社で描いたDX推進の構想が、海外支社では商慣習や文化の違いを前に停滞してしまう——。そんな現実に直面している企業も多いだろう。

リコーでは、ノーコードで現場主導の業務改善を可能にするクラウドサービス「RICOH kintone plus」をサイボウズ株式会社と共同開発。2022年のリリース以降、多くの実績を積み重ね、いまではAPAC(アジア太平洋地域)を中心とした海外市場へと広がっている。

RICOH kintone plusの海外展開を日本から支えるメンバーは、「リコーが国内外で培ってきた改善文化を生かし、日本発のサービスを世界へ広げたい」と意気込む。

目指すのは、システムを通じて働き方や企業文化をも変えていくこと。その挑戦の裏側にある思いを、各チームを代表する4名に聞いた。

RICOH kintone plus世界展開はどう仕掛けられている?
メンバーの役割と姿勢

——RICOH kintone plusは、APAC(エイパック:アジア太平洋地域)をはじめとしたグローバル展開もされています。皆さんはそれぞれ、どのような役割を担っているのでしょうか。

山野:私は、APAC極統括組織のもとにあるテクノロジーセンターに所属し、APAC向け機能開発を担う開発グループのリーダーを務めています。

RICOH kintone plusの大きな特徴の一つが、プラグインを追加できる点です。基本機能だけでは対応できない業務要件があっても、さまざまなパートナーが開発するプラグインを組み合わせることで、より幅広い業務に適応できるようになります。

日本ではkintoneの認知度が非常に高く、ユーザーコミュニティも活発です。多くのパートナーがプラグインを開発・提供しており、それらを組み合わせることで、幅広い提案が可能になっています。

一方で、海外ではまだkintoneのコミュニティやエコシステムが十分に育っておらず、日本と同じ環境を前提にすることはできません。そこで私たちは、APAC向けの機能開発に特化したチームとして、現地の業務や商習慣、実際のニーズをくみ上げて対応することを使命としています。

技術サポート・アジア展開担当リーダー 山野健太

正木:私は技術支援担当として、海外の販売会社を技術面でフォローしています。販売担当者からの質問に答えたり、実際に現地の商談に同席し、お客さまの業務を想定したシナリオに基づいてデモを実施したりして、RICOH kintone plusに対する理解を広げていく役割です。

年に複数回、海外を回って、それぞれの国や地域で得たナレッジを共有するというミッションも担っています。

プリセールスサポート(導入支援)・海外展開担当 正木里奈

唐澤:私は企画とマーケティングを担当しています。海外のお客さまや現地拠点の営業メンバーの声を聞き、機能や商品の強化につなげています。ほかにも、「各国の営業メンバーがどのようにお客さまに提案し、価値を伝えているのか」といった事例をほかの地域に紹介するなど、営業支援も担っています。

企画・海外展開担当 唐澤里紗

桐原:私は唐澤さんと同じチームで RICOH kintone plusのサービス企画、および海外展開全体を統括する立場として関わっています。

私たちの役割は、現場の声を束ね、海外のお客さまやパートナーがRICOH kintone plusに適切な期待を持てるよう、伝え方を設計することだと考えています。

日本市場では、RICOH kintone plusがどの業種・業態で、どのように使われているのかという実例が数多く見えてきました。ただ、それをそのまま海外に持っていっても、うまくいくとは考えていません。

そこで山野さんや正木さんのチームと議論しながら、海外の現場では何が価値として受け取られるのか、日本での使われ方をどう伝えるべきかを整理しています。

企画・海外展開担当リーダー 桐原 聡太郎

「日本の改善文化を世界へ」「意義のある挑戦」
メンバーたちの決意と情熱

——RICOH kintone plusの海外展開に関わることが決まった際、皆さんは率直にどのような思いを抱きましたか。

桐原:「日本の常識が海外でそのまま受け入れられるのか?」と、当初はそんな疑問がありました。

日本企業では現場で業務改善をしようとする意識、つまり自分たちの業務改善に必要なツールを自分たちでつくる、「市民開発」の文化があります。しかし海外の場合はそうした文化がなく、現場での業務改善意識が高いとはいえない地域も多いのが実情だと思っていました。

山野:文化の違いとどう向き合うかは大きなテーマですよね。そのヒントは私たち自身のこれまでの取り組みにあると感じていました。リコーには以前から、現場の課題に向き合いながら自分たちの業務を自分たちで改善していく文化があります。そうした取り組みは、決して日本だけのものではなく、グローバル全体で行われてきたんです。

だからこそ、私たちが社内で実践してきた考え方や取り組みは、海外の顧客にもきっとフィットするはずだという手応えがありました。これまで積み重ねてきた改善ストーリーやノウハウを海外企業へ発信していく。その役割を担うことに大きな期待感がありました。

正木:山野さんが言うように、「リコーの実績やノウハウを知りたい」という期待に応えることへのワクワク感は大きかったですね。認知度がまだ低い状態で、どこまで海外で通用するのか不安もありつつ、「自分がサポートしている製品が海外で使われる」ことへの喜びもありました。

唐澤:私は、自分自身のキャリアにとっても意義のある挑戦だと感じていました。現在の部署へ異動する前は、定型業務も多くやるべきことが明確だったんです。一方、このチームで与えられたミッションは不確実性が高く、成功につなげられるかは自分の努力次第。そんなチャレンジングな仕事を担当できることがうれしかったのを覚えています。

目の前で課題の解決方法を実践。
営業にも顧客にもわかりやすく価値を伝える

——実際に海外でRICOH kintone plusを展開する際には、どんな苦労がありますか。

桐原:「課題解決型の営業スタイル」を浸透させていくことでしょうか。RICOH kintone plusには、私たちが従来得意としてきたハードの販売とは違った難しさがあります。そのなかで、課題起点で価値を伝える営業への転換に取り組んでいるところです。

唐澤:「こんなプロダクトがあります」とお客さまに紹介するだけでは、なかなか理解を得られないことが多いんですよね。

桐原:リコーは多数のハードウェアを扱っていますし、近年ではソフトウェア系の商材も増えて商品網が充実しています。そのなかで、RICOH kintone plusはお客さまが抱えている課題を深く理解してこそ提案できるソリューション。海外拠点の営業メンバーや販売会社にとって「難しい商材」だと思っています。

山野:加えて、海外拠点では技術支援メンバーの数が限られているので、商談の現場へつねに同席できるとは限りません。だからこそ、営業メンバー自身が自分の言葉でRICOH kintone plusの価値を語れる状態が求められます。

桐原:なぜこの商材がお客さまに合っているのか。どういった課題が解決できるのか。正木さんをはじめとした技術支援のメンバーが、現地の営業メンバーへRICOH kintone plusの価値を伝えてくれています。

——日本とは業務環境や文化が異なる現場で、どのように価値を伝えているのですか?

正木:「市民開発」の文化が根づいていないのは、実際の商談支援の場でも感じます。サービスを説明しても、「どうやって使えばいいかわからない」と言われることが多い。そこで現場では、お客さまが日々の業務で困っていることを聞き、その困りごとを解決するための簡単なアプリを目の前でつくることが多いです。

山野:「どんなふうに課題が解決されるか」を見ていただくことで「市民開発」の意識が高まり、お客さま側でアイデアが生まれるようになるんですよね。

正木:はい。標準機能だけでは解決できない課題が出てきたら、海外向けに提供している各種プラグインを組み合わせながら、お客さまの困りごとを解決できるよう提案しています。

それでも対応の難しい要望が出てくることもありますが、その際は山野さんたちのいる開発チームとすぐに議論し、新たな機能の開発を検討してもらいます。その機能の汎用性が高いと見込めたら、企画チームと連携し、より多くのお客さまに活用していただけるよう横展開していくこともあります。

こうした柔軟な対応が、私たちの提案の幅を広げる強みの一つです。実際に、e-signature(手書きサイン)プラグインはタイ現地の要望をきっかけに生まれたリコー独自の機能で、現在では標準機能としてアジア向けに提供されています。

桐原:正木さんは、そうした現場の課題のキャッチアップがとても上手ですよね。

正木:現地拠点の営業メンバーがいてくれるからこそです。たとえばタイ支社のメンバーはタイの文化を深く理解し、お客さまと強固な関係性を築いています。この基盤があるからこそ、お客さまもオープンに課題を話してくれるのだと思います。

海外拠点と本社の信頼関係を支える「スピード感」

——皆さんそれぞれミッションを抱えるなかで、横の連携の難しさを感じることはありますか?

山野:それぞれ専門性が違うので、物事に対して重視する部分も違います。議論になることも多いですが、単に反対するのではなく、「こうするといいね」という視点で改善点を出し合っていますね。おのおのの役割はありつつも、そこに縛られず、建設的な議論ができていると思います。

——なぜ役割に縛られず議論ができるのだと思いますか?

唐澤:未知数の部分が多い事業だからこそ、ベンチャー的な風土が生まれるのかもしれません。お客さまの困りごとを解決するために、何ができるか自発的に考えて、先回りして行動する。そんな能動的な人が多いように感じます。

桐原:部署が違っても、「お客さまの課題を解決する」という共通の目的があるため、その目的をいかに海外メンバーに理解してもらい、サービスの価値を適切に伝えていくか、という視点で、役割を超えた議論ができているのだと考えています。

山野:私は、本社部門と海外拠点の壁も超えられるようになってきたと感じます。私自身も駐在経験がありますが、当時は海外拠点にとって、本社は「単なる報告先」のように受け取られてしまう場面もありました。

いまは「困ったことがあっても本社に相談すれば何とかしてくれる」「スピーディーに改善してくれる」という実感を少しずつ持ってもらえるようになってきたのではないでしょうか。

——海外拠点からの信頼を得られる秘訣はどこにあるのでしょうか。

正木:営業現場では「お客さまが希望する機能を実現できないと解約になってしまう」といった、切羽詰まった場面もあります。そんなときに、開発では迅速にプロトタイプをつくり、解決策を提案してくれるんですよ。このスピード感は、現場の皆さんにとって本当に心強いと思います。

桐原:新たなプラグイン開発について議論した翌週に、開発から「こんなプロトタイプをつくりました」と見せてもらったこともありました。

山野:スピード感はチーム全体の強みかもしれませんね。企画や技術支援の皆さんも本当に動きが早いと感じます。現場での困りごとが見つかったらすぐにみんなで集まり、課題解決のための仮説を立て、翌週には改善を反映していることもある。このプロセスがあるからこそ、私たちも現場の声を身近に感じながら開発を進められています。

リコーが誇る「自分ごと化」の力。
海外DXを実現する「共創パートナー」へ

——今後、RICOH kintone plusを通じて、どんな価値を提供していきたいと考えていますか。

唐澤:海外に拠点を展開している日本企業からは、「海外の現場で業務改善が進まない」という悩みを聞くことも多いです。こうした課題を「自分ごと」として考えられるのもリコーの特徴だと思っています。

当社自身も世界各国に拠点を持っており、工場も展開しています。自社の商材も活用しながら、オフィス領域だけではなく製造現場の業務改善にも長年取り組んできました。RICOH kintone plusにも、リコーの実務ノウハウをさらに反映させていきたいですね。

桐原:リコーは従来の複合機などの事業でも、お客さまのワークフローを熟知することを大切にしてきました。ワークフローのなかにある課題を深く理解できる強みもさらに生かしていきたいです。

山野:こうした強みを発揮して、アジアをはじめとした海外でも、日本発の改善文化を広げていけたらいいなと思います。システムの活用を提案するだけでなく、システムを通じて人の働き方や企業文化も変えていく。そんなお手伝いをしたいですね。

正木:日本では、さまざまな企業がkintoneを使いこなして情報発信し、数多くの成功事例が共有される「Cybozu Days」のような大規模イベントも開催されています。海外でも、RICOH kintone plusを活用するお客さまにどんどん発信してもらえるようにしたいですね。

RICOH kintone plusのコミュニティをきっかけに、アジアでの成功事例を全世界的に展開していけたらと思っています。

——自社でトライアンドエラーを重ねてきたリコーが、情熱と経験のあるメンバーを通じて支援してくれる。これから海外展開を加速させたいと考えている企業担当者には心強いでしょうね。最後に、そんな読者に向けたメッセージをいただけますか?

山野:私たちは、RICOH kintone plusを通じてお客さまのDXを実現するパートナーでありたいと思っています。海外の販売会社や営業メンバーともこの思いを共有して取り組んでいるので、現地で感じている課題を率直にご相談いただければと思います。

桐原:商慣習や文化の違いがあり、難しさもある一方で、海外市場には大きな伸びしろがあります。ビジネスの機会は無限大です。この市場で多くの企業が成功をつかめるよう、精一杯伴奏していきたい。お客さまとともに、RICOH kintone plusを「日本発のサービス」として一緒に成長させていければうれしいです。

唐澤:リコーでは「共創」をキーワードとして、お客さまとともに課題を改善し、新しい価値を広げていくことを目指しています。RICOH kintone plusを導入いただく企業は、お客さまであるだけではなく、本当の意味での共創パートナーだと思っています。

正木:RICOH kintone plusは、現場の課題に応じて個別に運用できるツールであり、課題解決のために進化していくツールです。まずは目の前の課題解決から、一緒に取り組んでいければと考えています。

  • インタビュー内容や社員の所属は取材当時(2026年1月)のものです

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