2025.10.23
八十二銀行本部棟 リノベーションプロジェクトメンバーの皆様
株式会社八十二銀行様は2026年1月に予定している長野銀行様との合併に向けて、100席以上の座席確保が急務となりました。そのため、同行はオフィス空間の多くを占めていた文書保管用キャビネットの撤去に乗り出しました。文書管理の刷新にあたり、リコーの「ドキュメントコンサルティング」「リコー ドキュメントライフサイクルサービスSelect」をご利用いただき、文書の仕分けから電子化、運用ルールの策定に取り組み、リノベーションプロジェクトを成功させました。
株式会社八十二銀行様は長野を代表する地方銀行で、積極的にDXを推進されています。同行は2026年1月に予定している長野銀行様との合併で100人以上の本部職員の増員を予定しており、オフィスの執務スペースを広げる必要に迫られました。オフィスレイアウトを最適化して座席を拡充するため、紙文書の電子化や廃棄によりキャビネットを撤廃するリノベーションプロジェクトを開始しました。
このプロジェクトを担当することになった同行 デジタルトランスフォーメンション部 調査役の内堀拓弥様は、「合併により、本部職員が入りきらないことが起点になりました。また、建物の老朽化や働き方の多様化への対応も含めてオフィスのリノベーションが必要になりました」と、当時の状況を説明します。
経営層からの指示は明確で、オフィス空間を一新するためにキャビネットを撤廃し、新たな文書の管理体制を短期間で構築することが求められました。各部署で業務を続けながら建屋内でのフロア移動と工事を進める難易度の高い取り組みの中で、業務が停滞しないように各部署の文書管理を移行する必要がありました。
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株式会社八十二銀行
デジタルトランスフォーメンション部 調査役
内堀 拓弥 様
「それまでは昔ながらの4段キャビネットで紙資料を保管してきましたが、これらのキャビネットが多くの場所を占めているのは明らかでしたので、それらをなくさない限りは100人以上の席を確保できないという認識が最初からありました」
キャビネットをなくすには文書の電子化や廃棄が必要ですが、ここに大きな課題がありました。
「そもそも、全体の文書量も把握できておらず、どういった手順で取り組むべきか、何から始めてよいのかわからない状況だったので専門家のアドバイスが欲しいと考えました」
こうした状況からリコージャパンにご相談をいただき、現地で文書の保管状況の把握が始まりました。
リコージャパンの支援サービスについて、「豊富な実績をもとに、当行の現状に合った提案をしていただけたので、すごく安心感がありました。価格もリーズナブルで問題なく採用できました」と内堀様は評価されます。
「何をすればよいのか分からなかったので、アドバイスも含めてご提案いただけたのも助かりましたし、迅速に現地を見てもらえるなど、対応へのフットワークも軽かったです」
対象となった文書の量は、4段キャビネット換算で約520本。内堀様は、リコージャパンの担当者がキャビネットを開ける現物チェックに立ち会い、すべてを確認しました。
「さまざまなお客さまとの契約書や計数の管理資料などがありました。契約が終わるまで何十年と保管する必要がある契約書もあり、各支店から集約して本部で保管する書類や本部業務で発生する書類もすべて確認しました」
すべての書類を確認して仕分けする工程はプロジェクトにおいて大きなポイントとなりました。
「そもそも、どれだけ紙があるのかを把握していなかったので、その量が見えてきました。この確認で保存すべき文書と捨てられる文書が明確になり、実は捨てられる文書の多さに驚きました。紙が一杯になると少し減らすレベルにとどまっていたのが、この工程をきっかけに実態を把握できたことは大きなポイントでした」
「電子化する文書がたくさん出てくると思っていたのですが、意外と『捨てられました』という文書が多くあり、本来は捨てられた文書に多くの場所を取っていたことが分かりました」
電子化対象や捨てる文書の仕分けが進み、内堀様は新たな文書管理や運用ルールの構築も進めました。内堀様はルールづくりでもリコージャパンの支援を利用されました。
内堀様は「先述した現状把握の工程を通じて、現物や文書管理ルールの実態をリコージャパンに理解してもらった上で支援してもらいました。各支店でお客さまから受領する書類は本部に集約し、バーコード管理でファイル名も入れて管理することなどが決まっていました。しかし本部業務で発生する非定型文書の保管ルールは基本的になかったので、ゼロから一緒に作っていただきました」と話します。
「各部署とも密に連携し、当行向けに文書管理ルールを作成していただきました。現地調査や現状分析から始めてもらえたからこそ、それらを踏まえたルールを作っていただけました」
内堀様はこれらの作業を推進するにあたり、社内説明会をリコージャパンと一緒に実施しています。
「各部署の担当者ごとに、電子ファイルの保存状況を一緒に見てもらい、それぞれの部署に合ったフォルダ体系を一緒に検討しました。ガイドラインを作れるレベルを探り、最終的にルールとして定められる内容にまとめて、運用を開始しました」
「電子化で電子ファイルの数が増えるので、それらをどう保存すべきかという内容まで支援してもらいました。ただ電子化するだけでは、後でファイルが増えて探すのが大変になるため、保管のルールづくりまでをやってもらえて完結することができました」
本プロジェクトの中で、リコージャパンは200箱分の文書の電子化を実施しました。
「各部署に箱詰めを依頼しましたが、ダンボールの手配から箱詰めの方法、バーコードの貼り方なども含め、手取り足取り支援してもらえたのでスムーズに作業できました。自分たちで決めるべきことに集中するために必要なことを支援してもらえました」
「保存期限切れの書類を定期的に整理するルールを定めたので、整理がしやすくなりました。紙を残さなければスッキリすると感じてもらえたので、不用意に紙を残さないマインドに変わりました」
内堀様の部署には、デジタル人材育成のミッションもあります。「データに対する向き合い方も変わってきました。リノベーション後、紙が発生する部分を電子化したいという相談も来ており、各部署でも電子化の効果を実感してもらえたので意識も上がっています」
こうして工事が完了したオフィスには、以前とはまったく異なる風景が広がりました。
「4段キャビネットを壁代わりに使った面もありましたが、フロアを見渡してもそのような壁がなくなり、コミュニケーションの風通しがよくなりました」
同行は電子化する文書の一時保管にリコーの文書保管サービスを利用しました。保存が必要な紙文書は自社の倉庫・書庫で管理しており、取り出しの面でも問題はないそうです。
「お客さまとの契約書などは、平時には利用する場面がそもそも少ないため、取り出す頻度が多くない特性もあります。毎日見るような文書は少量なので身近に置いておけますし、年に1回、5年に1回見るかどうか、見ないで終わるかもしれないけれども取っておく書類が多いので、文書の取り出しについては問題にならないと思います」
それよりも、「どれだけスペースを無駄に使っていたか、目の前に使いもしないものがあったことを改めて実感しました。取り出しなどで発生する不便よりも、日々のちょっとしたストレスや、目の前の窮屈さや狭さがなくなるほうがメリットです」と、内堀様は実感されています。
「フロアの圧迫感も明らかになくなりました。昔から出入りしているお取引さまからは、かなり雰囲気が変わりましたね、という感想をいただきました。同じフロアに別の部署が隣接してますが、行き来しやすくなりました。必要なものは電子化しているため、場所を変えて働ける環境はしっかりと揃えられたと思います」
紙文書の電子化で快適にリノベーションされた本部フロア
リコージャパンの支援体制について、内堀様からは「いつでも相談できる状況でしたし、安心してお任せできました。各部署への事前説明もそうですし、単独では難しい部分をサポートしてもらえて何とか前に進みました。本当に安心して委ねられる、任せられるのが一番です」というご評価をいただきました。
これらの取り組みを経て、外部の方に今では自信を持ってご案内できるオフィスになったそうです。
今回の取り組みで、八十二銀行様は統合的な文書管理体制を実現し、DX推進の確かな基盤を築くことができました。
| 会社名 | |
|---|---|
| 設立 | 1931年8月 |
| 本社所在地 | 長野市大字中御所字岡田178番地8 |
| 従業員数 | 3,301名(2025年 3月末現在) |
| 事業内容 | 預金業務、貸出業務、為替業務、各種コンサルティング業務 |
信州・長野県を基盤とする地方銀行で、地域の顧客と共に、地域社会の発展を目指して日々活動している。預金・融資・為替業務に加え、資産運用や事業経営の各種コンサルティングを行い、地域顧客をサポートすることを特徴としている。
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