クラウドストレージの法人向けシェアは拡大傾向にありますが、サービス選びや導入手順で悩んでいる企業も少なくありません。適切なサービスを選定できなければ、セキュリティリスクや機能不足、コスト超過などの問題に直面するかもしれません。
本記事では、法人に適したクラウドストレージの条件や、メリット・デメリットなどを解説します。自社に最適なクラウドストレージサービス選定の参考にしてみてください。
目次
総務省の令和5年度「通信利用動向調査」によると、企業のクラウドサービス利用割合は77.7%と前年比5.5%増加し、右肩上がりの傾向がみられます。

特にファイルの共有や保管用途での利用が68.8%と最多となっており、利用理由として「場所や機器を選ばないから」が49.5%で最多となっています。
調査結果からは、リモートワークへの対応が進んでいる状況を表しているといえるでしょう。
法人向けのクラウドストレージサービスを選ぶ際は、主に以下の5つの条件に照らし合わせてサービスを絞り込むことが重要です。
セキュリティ面では、暗号化やアクセス制御、二要素認証など、データ保護のための対策が講じられているかを確認しましょう。
容量面では、現在の利用状況と将来の拡張性を考慮して選択します。料金体系は、従量課金制や定額制など自社に合ったプランがあるかがポイントです。
機能面では、ファイル共有やバージョン管理、モバイルアプリの有無などをチェックします。サポートについては、問い合わせ方法や対応時間、障害時の対応などを予め確認しておくと安心です。
各条件のより詳しい内容については、以下の記事で解説しています。
クラウドストレージには、利便性やコスト面でのメリットがある一方で、セキュリティやオフライン環境での利用制限などのデメリットもあります。
主なメリットとしては、以下の5点が挙げられます。
一方、事前に把握しておくべきデメリットは、以下の2点です。
メリットを活かしつつデメリットを最小限に抑えるには、適切なセキュリティ対策と利用ルールの策定が欠かせません。暗号化やアクセス制御、従業員教育などを通じて、安全にクラウドストレージを活用していくことが重要です。
それぞれのメリット・デメリットの詳しい内容については、以下の記事で解説しているため、ぜひご覧ください。
ここからは、クラウドストレージを導入する手順を詳しく解説します。
導入目的を明確にすることが、クラウドストレージ導入の第一歩です。まず、クラウドストレージを全社的に導入するのか、特定のチームや部署で利用するのかを決定します。また、データ共有やバックアップ、リモートワーク支援など、具体的な用途の特定も重要です。
導入目的を明確にすることで、要件定義がスムーズに進みます。コスト削減や業務効率化など、達成したい目標の数値化も盛り込み、サービスを選択しましょう。
要件定義は、クラウドストレージ選定の基礎となる重要なステップです。必要なストレージ容量を見積もり、セキュリティ要件(暗号化、アクセス制御など)を確認しましょう。
さらに、以下のような業務に必要な機能のリストアップも大切です。
実際に利用する方からの要望も収集し、優先順位をつけて要件に反映させます。その際、将来的な拡張性や連携するシステムとの互換性なども考慮に入れると良いでしょう。
要件定義の精度を上げることで、最適なサービス選定につながります。
サービス選定は、要件定義で洗い出した内容に基づいて進めます。複数のサービスを比較し、自社にもっとも適したサービスの選定が重要です。
以下の内容を踏まえて、総合的に評価しましょう。
また、ベンダーの信頼性や将来性、実績なども考慮に入れることが大切です。また、自社と同じ業界や企業規模が近い導入事例を参考にすることも役立ちます。
選定したサービスを実際に利用し、使い勝手を確認することが重要です。無料トライアルや小規模な導入から始め、実際の業務での使用感やパフォーマンスを確認しましょう。さらに、利用した方からのフィードバックを収集し、改善点を見つけることも大切です。
操作性や機能面での不満、ストレスを感じる点などを洗い出し、設定変更やサービス側への改善要望につなげましょう。トライアル期間中に、データ移行のリハーサルを進めることも有効です。
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導入計画の策定は、トライアルの結果を踏まえて調整し確定します。段階的な導入スケジュールを立て、既存データの移行計画を作成しましょう。
その際、移行に伴うシステム停止期間や、トラブル発生時の対応方針も決めておきます。社内でのトレーニング内容と日程も具体的に定め、資料の準備や講師の手配を進めます。
導入による業務への影響を最小限に抑え、円滑に移行できるよう綿密な計画を立てましょう。
クラウドストレージの導入に合わせたセキュリティ対策の強化は不可欠です。社内のセキュリティポリシーを見直し、必要に応じて更新しましょう。パスワードポリシーの強化や多要素認証の設定、アクセス権限の設定など、データ保護に必要な対策が重要です。
特に、機密情報を扱う場合は、暗号化やアクセス制御には注意を払いましょう。また、定期的なセキュリティ監査の実施や、ログのモニタリングなども検討することをおすすめします。
従業員への定期的な教育を含めたセキュリティ対策の徹底が、クラウドストレージの安全な利用につながります。
最後に、策定した計画に沿って段階的に導入を進めていきます。既存のデータを新しいクラウドストレージに移行し、移行が完了したら動作を確認します。
移行作業は、業務への影響が少ない時間帯に実施し、トラブルに備えてバックアップを取っておくことが大切です。利用開始後も、継続的なサポートを提供し、ユーザーの習熟度を高めていきましょう。
法人に適したクラウドストレージサービスを選ぶ際は、セキュリティ・操作性・機能性を踏まえた総合的な判断が重要です。
以下の記事では、法人に適したサービスの詳細を紹介しているため、参考にしてください。
ここでは、無料トライアルが用意されている3つのサービスを取り上げます。
※2024年11月時点の情報です。最新情報は各サービスの公式ページでご確認ください。
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クラウドストレージは、場所を問わずファイルにアクセスでき、データ共有やバックアップに役立つサービスです。法人での導入には、セキュリティ対策や要件定義、サービス選定などの手順が欠かせません。
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各サービスの記載内容は2024年11月時点の内容です。最新情報は公式ページにてご確認ください。