2026年9月17日、山口県立田布施農工高校の機械制御科の生徒の皆さんを対象に、リコージャパンが出前授業を実施しました。
同校は山口県南東部に位置し、2010年に前身の田布施農業高等学校と田布施工業高等学校のそれぞれの歴史と伝統を引き継ぎ、山口県唯一の農業科と工業科が併設された専門高校として開校しました。そして本年度4月、柳井地域・周南地域の5校が統合し、農業と工業と家庭の専門学科を併置する県内唯一の学校として、新しく「山口県立田布施農工高等学校」が開校いたしました。
当日は、午前中の2コマでプラスチックリサイクルについて学び、午後の2コマでは3Dプリンタの活用事例を紹介しました。今回のコラムでは、午前中に実施したプラスチックリサイクルの授業をご紹介します。
1コマ目は講義を中心に、プラスチックの歴史や原料、種類、環境への影響、リサイクルなど、プラスチックの基礎について学びました。
授業では、プラスチックが「軽い」「安い」「丈夫」「成形しやすい」「腐食しにくい」といった特徴を持つことを紹介。その特徴が、輸送コストの削減や製品の低価格化、長期間の使用、大量生産、メンテナンス負荷の低減などにつながり、私たちの暮らしや産業のさまざまな場面に普及してきたことを説明しました。
環境問題だけを切り取るのではなく、プラスチックが社会に広く使われるようになった理由や、その利便性を理解したうえで、使用後のプラスチックをどのように資源として循環させていくかを考えることを大切にしました。
続いて、プラスチックには多くの種類があり、それぞれ性質が異なることを学びました。授業では、熱を加えることでやわらかくなり、冷やすと固まる「熱可塑性樹脂」と、一度硬化すると再び加熱しても元に戻りにくい「熱硬化性樹脂」の違いなどを、図を使いながら紹介しました。
生徒の皆さんにとって、普段は意識することの少ない樹脂の名称や性質には少し難しい部分もあったと思います。一方で、同じ「プラスチック」と呼ばれる素材でも、種類によって特徴やリサイクルのしやすさが異なることを知る機会になりました。
では、身の回りにあるプラスチックは、実際にはどの種類なのでしょうか。2コマ目では、講義で学んだ内容を自分たちで確かめる判別体験を行いました。
2コマ目は班に分かれ、リコーが開発した「リコー樹脂判別ハンディセンサー」を使って、身近にあるさまざまな製品の材質を判別しました。
見た目や手触りだけでは判断しにくいプラスチックも、実際に測定してみると材質の違いが見えてきます。生徒の皆さんは、身近なものを手に取り、グループで相談しながら次々と測定。講義で学んだ「プラスチックにはさまざまな種類がある」ということを、実際の体験を通して確かめていました。
これまでリコージャパンでは小学生向けの環境授業も行ってきましたが、高校生向けの授業は今回が初めてでした。機械制御科の生徒の皆さんに、環境課題だけでなく、素材の性質や判別技術にも関心を持ってもらえる内容を目指しました。
授業の最後には、「授業を受けて感じたこと」「社会に対しての意見」「興味がわいたこと」を生徒の皆さんに書いてもらいました。
寄せられた感想には、次のような声がありました。
単に知識を得るだけでなく、「なぜ種類があるのか」「どうすればリサイクルを増やせるのか」といった新たな疑問や関心につながったことに、今回の授業の意義を感じました。
プラスチックは、軽く、丈夫で、加工しやすいことから、私たちの暮らしや産業を支えてきた便利な素材です。一方、資源として循環させるためには、素材の特性を知り、種類ごとに適切に分別することが重要です。
「リコー樹脂判別ハンディセンサー」は、近赤外線分光方式を用いて樹脂を判別するハンディタイプのセンサーです。13種類の主要なプラスチック素材を基準データとして登録し、さらに必要に応じて最大100種類まで独自データを追加できます。
今回の授業が、生徒の皆さんにとってプラスチックのリサイクルや循環型社会について考えるだけでなく、樹脂を判別する光学技術など、環境課題の解決を支える技術にも興味を持つきっかけになればと考えています。
将来、生徒の皆さんの中から、プラスチック問題の課題解決や循環型社会の実現に、さまざまな技術を通じて貢献する人材が生まれることを期待しています。
樹脂判別の仕組みと製品仕様はカタログでご覧いただけます。
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