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リコー 教えて電子帳簿保存法
コラム 15

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コラム

電子データの保存義務

令和4年4月1日に施行された改正電子帳簿保存法により電子取引の電子データ保存が義務化になり、令和5年12月31日には、2年間の宥恕措置が終了し、いよいよ電子データの保存に対応しなくてはいけません。

多種多様な電子取引の形態~電子FAX、EDI 、通販など

もちろんこれまでも円滑な移行のための対策に取り組んでこられたことと思いますが、今一度、何をどうしなければならないのか確認してみましょう。例えば電子FAXですが、アナログな私にはFAXは紙で出すものといった固定概念がありますが、今や「FAX機能を持つ複合機」では、FAXを電子データで受信・保存することが可能となっているようで、受信データは電子取引に該当することとなるので、電子帳簿保存法に対応しなくてはなりません。また、このほかにもEDI システムを利用した取引では、システム上で取引が行われるため、紙は存在せず取引情報のデータのみが存在することとなりますし、Amazon等の通販サイトではインターネット上で取引が行われ、取引情報もインターネット上で管理されているので電子取引に該当しますが、手許には何もありません。

画像:電子データの保存義務

電子データの保存の方法

では電子データは、どうやって保存すればよいのでしょう。
どのような電子取引であっても、どのような電子データの形式であっても、共通して電子帳簿保存法で求められていること、それは「真実性」と「可視性」の要件を満たしていることです。
真実性の要件を満たすには、訂正・削除のできないシステムの利用やタイムスタンプの付与等の改ざん防止措置が求められています。また可視性の要件を満たすには、令和5年度税制改正で、一部検索要件不要措置の緩和が見込まれるものの、電子データを保存する場合には原則、検索要件を満たし、ファイル形式の変換などが行われた場合でも、取引内容が変更されない状態で保存しなければならないこととなります。ですから、今お使いの機材やシステム、ソフトウェア等にこれらの機能が備わっているかは必ず確認する必要があります。

JIIMA認証を受けたソフトウェア等は電子帳簿保存法にも適合しているので利用をお勧めします。そして、機材の仕様やシステム、ソフトウェアの機能については専門家に相談されることをお勧めします。国税庁ホームページには様々な疑問、問題点への一問一答が掲載されています。事前の対応はもちろんですが、今後は実際に運用されてからの実務上の生の疑問、問題点が浮かび上がってくることが予想されますので、一度目を通してみてはいかがでしょうか。

税理士法人さくら総合会計
税理士 石橋 正憲

※このコラム寄稿は応研株式会社にご協力いただきました。

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※本文に掲載されている情報は、2023年3月現在のものです。

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<国税庁 特設サイトへリンク>