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リコー 教えて電子帳簿保存法
コラム 05

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コラム

インボイス制度を待って電子取引保存対策をすべきなのか?

令和5年10月より、消費税の仕入控除条件として、適格請求書等保存方式(インボイス)制度が開始されます。令和3年の電子帳簿保存法改正と同じく国の税制改正です。
それならば、電子帳簿保存法改正による電子取引情報の紙印刷保存禁止(令和4年1月1日から2年間宥恕)の対策は、インボイス制度の対応策がはっきりきまってから考えればいいのでしょうか。
インボイス制度では、自社が課税事業者として適格請求書発行事業者となるのであれば、売り手として請求書、納品書、領収書など取引書類に、適格請求書として要求される必須情報を記載して発行できるように、準備する必要があります。
また買い手としては、仮払い消費税の正確な算出のために、仕入帳簿などへの入力時に、免税事業者と適格請求書発行事業者からの取引書類を仕分けした後、適格請求書での請求内容を税率別に分解して、税額を正確に記帳(入力)し、仮払い消費税総額を積算できるようなシステム改修を準備する必要があります。ところで、取引情報の保存に関する要件に変化はなく、適格請求書が電磁的に授受された場合は、電子帳簿保存法での電子取引保存要件にしたがった保存が必要です。
ですから、電子帳簿保存法の電子取引情報の紙印刷保存禁止への対策の準備はインボイス制度対策を待たずに前倒しで進めて問題がないのです。それどころか、インボイス制度を見据えて、従来紙で発行していた取引書類をこの機に電子取引に変更する企業の増加が予想されます。
受領側は電子取引による請求書などの受領件数が増加するわけで、電子取引の電子保存環境整備は待ったなしになる可能性があります。

画像:インボイス制度を待って電子取引保存対策をすべきなのか?

※本文に掲載されている情報は、2022年7月現在のものです。

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国税庁の電子帳簿保存制度特設サイトもご活用ください
<国税庁 特設サイトへリンク>