コラムのスタートにあたって、企業活動の基本となる、記録管理について記述します。
昨今、企業活動において説明責任が重要視されています。
環境対策、セキュリテイ対策、製品・商品の安全性、内部統制対応など、自社がどのような対応を行っているかを社内・社外のステークホルダーに説明することは今や当たり前となっています。これらの説明が正しくできない企業は、企業価値を下げてしまいます。
では、正しい企業活動の状況は何を証拠として説明すべきでしょうか。それは業務記録です。
業務記録は、企業活動の内容、時間、実施者の情報の記録であり、第三者が内容が正しいという心証を得るのに十分な情報でなくては意味がありません。
記録管理標準であるISO15489*によると、記録の作成、捕捉及び管理は、業務運営に欠くことができないとされています。また、記録は、真正性、信頼性、完全性及び使用性という特性を持つとき、業務の正式な証拠となるとされています。記録は、形式又は構造に関わりなく、業務の事象又は処理の正式な証拠とみなすため、「真正性」、「信頼性」、「完全性」及び「使用性」という特性をもつこととされています。
これを踏まえると、税法が要求する帳簿・取引書類の保存と、電子帳簿保存法の要件は、税務署への説明のための記録管理要件であると考えて間違いがありません。