印刷物の内作化~在庫管理・ロス削減を目指して~

必要な時に必要なだけ印刷 
ー在庫の保管コストや廃棄のロス削減を目指すー

2009年頃、リコーグループの商品カタログの約97%がオフセット印刷の外注でした。そのため、必要なカタログはまとまった数量で受発注する運用となっており、受注側の印刷センターと発注側の営業拠点では大量のカタログ在庫を持っていました。
そこで、カタログ記載内容の変更や新製品への切り替えなどによる在庫廃棄や、保管費用のロス削減を目指し、カタログ生産方式の見直しを始めました。

実践事例
ロットによるPODとオフセットの
振り分け最適化と内作化の実現

1ロット1,000部を目安として、ロットによるオンデマンド印刷とオフセット印刷の生産方式の振り分け最適化を実施しました。
現在、オンデマンド印刷による生産はリコークリエイティブサービス株式会社の平和島事業所「PODセンター」で内作化を実現しています。
ここにはRICOH Pro C製品群の最新機種が導入されており、高品質な印刷物を安定的に作製できる運用を行っています。
また、オフセット印刷によるカタログも同じ場所で在庫管理しており、効率的なキッティングと配送が可能となっています。

RICOH Pro C製品群の最新機種

品質の安定化を実現

PODセンターではJapan Color 認証制度デジタル印刷認証を取得しています。
デジタル印刷認証とは、Japan Color 2011を基本として、オフセット枚葉印刷に対するデジタル印刷の再現近似性(色再現)を実現できる運用能力について認証するもので、デジタル印刷機のメンテナンスと数値管理などによって、「高品質の印刷物を安定的に作成できる運用能力」について認証するものです。印刷会社を対象に工場単位で認証を行います。

Japan Color 認証制度デジタル印刷認証

リコーグループの名刺を一括生産

国内のリコーグループ社員の名刺も、PODセンターで生産しています。自身のパソコンからシステムを通して発注すると、最短2~3営業日で印刷済みの名刺が手元に届きます。裏面に掲載する情報はあらかじめ登録されたテンプレートから選択が可能となっており、用途や営業先などによって使い分けをしています。
オンデマンド印刷による生産のため「最小ロット20部」の発注が可能で、あまり名刺を使わない社員でも廃棄ロスを気にせず少量発注できるほか、先述の裏面テンプレートの使い分けによる小ロット・多品種での作製も可能となっています。
名刺用紙はすべて森林認証の用紙またはバナナペーパーを使用しており、環境へも配慮しています。

印刷機を操作する男性

社内販促物の製作

このPODセンターでは、紙の印刷物の他に、ガーメントプリンター RICOH Ri 100による
布製品の販促物も製作しています。
社内の表彰式などのノベルティや各地域のフェアーなどで着用するユニフォーム、
配布物などを製作しています。

RICOH Ri 100

効果

RICOH Pro C製品群を活用した印刷物内作化により、在庫管理の手間も軽減され、2017年には製品カタログの約80%のオンデマンド印刷を実現。
2023年現在では、約87%がオンデマンド印刷による生産となっています。
また、オフセット在庫低減により、PODセンター単独で384万円/年の保管料削減が可能となっただけでなく、
カタログや会社案内の在庫廃棄も大幅に削減することができました。

※PODは、プリント・オン・デマンド(オンデマンド印刷)です。

※掲載の会社名および製品名、ロゴマークは各社の商号、商標または登録商標です。

オンデマンド印刷の割合の変化を表す図
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