2017.11.28
酒田米菓様が昭和37年に開発した「オランダせんべい」。厚焼きせんべいが主流だった時代に厚さ3ミリのサックリ軽い食感でヒット。
おらんだせんべいFACTORY2階のカフェコーナーに65インチのRICOH IWBを活用したタッチパネル型サイネージを設置。見たい生産工程を見学者が自由に選んで再生することができる。
酒田米菓株式会社様は、工場見学を通じて自社の製品へのこだわりとせんべいづくりの醍醐味をたくさんの人に知っていただくため、観光工場「オランダせんべいFACTORY」を開設。
見学工程の多言語対応と工場見学の満足度向上を図るため、2017年5月、リコーデジタルサイネージとリコーインタラクティブホワイトボード(RICOH IWB)を導入されました。国内外から訪れるたくさんの見学者の方々に、酒田米菓様独自の生産工程をわかりやすく披露しています。
山形県酒田市は古くから庄内米の積出港として繁栄した都市で、酒田米菓株式会社様は、この地で、昭和26年の創業以来、「米と製法へのこだわり」を大切に、精米から生地、焼成までのせんべいづくりの全工程を自社一貫生産で行ってきました。本社最上川工場で生産する「オランダせんべい」は、昭和37年の発売以来、東北のソウルフードとして幅広い年代に愛され続けています。
「2014年末に社長に就任し、まず、取り組んだことのひとつが"観光工場"をつくることでした。これは創業者である叔父の構想で、叔父は"こんな工場があったら楽しいと思わないか"と当時、高校生だった私に一枚の絵を見せてくれました。私はその絵から、最上川工場を広く皆様に公開し、工場見学や手づくり体験などを通じて酒田米菓の製品やおせんべいづくりの面白さを知っていただく場にする決意をしました」
お客様に直接、工場に来ていただくこと、「オランダせんべいFACTORY」開設の重要なねらいはそこにあると佐藤社長は語ります。
「米菓市場は大手メーカーの寡占が進み、総合スーパーやコンビニエンスストアなどの有力な売り場への参入が困難な環境にあります。その中で当社が事業を伸ばしていくには、自社製品をお客様に届ける新しい事業モデルに挑戦していく必要がありました。観光工場はまさに最短でお客様に製品を届ける直販モデルになります。」
2015年8月、「オランダせんべいFACTORY」がオープン。以来、家族連れや小中学校の団体、観光ツアー客など幅広い年齢層の方が訪れ、見学者数は年間約11万人(2016年)に上ります。
「社員のがんばりでわずか9カ月で開設できましたが、まだまだ完成ではありません。開設当初、見学ガイドは日本語だけでしたので、外国人の方のためにQRコードで多言語の説明が表示できる仕組みを用意したのですがあまり使っていただけない状況でした。また、もうひとつ、衛生上の理由から通路から窓を覗く形で見学していただくので、いまひとつ臨場感に欠けます。さらに、当社の生産ラインは全長395mと非常に長いのですが、前工程となる精米から生地づくりの工程は、早い時間に稼働を終えてしまうことがあるため、その後に見学した方は最も面白い生地工程が見られないという課題がありました」
見学工程のこれらの課題をお聞きしたリコージャパンは、リコーデジタルサイネージとRICOH IWB、画像コンテンツ配信のためのRICOH THETAをご提案しました。工場見学の後に訪れるカフェコーナーにタッチ操作ができるRICOH IWBを設置し、見学者が自由に、多言語で「バーチャル工場見学」を体験できる65インチのタッチ操作が可能なコンテンツとしてご活用いただく提案です。
「提案内容を見せてもらった瞬間にこれだ、と思いました。全天球カメラの360度パノラマ画像は肉眼では見られないところまで映し出すので、まるで生産ラインの間近にいるような臨場感があります。また、外国人観光客の対応設備として、山形県インバウンド受入体制整備事業費の補助金も活用させて頂きました。導入後のランニングコストも低く抑えられ、コンテンツの制作が簡単にできる点も気に入っています。
これなら国内外問わず、工場見学の方の満足度向上が実現できると同時に、当社のPRにも貢献できると思い導入を決めました。」
オランダせんべいのキャラクター「オランダちゃん」。タッチ操作が可能なコンテンツの対応言語は日本語、英語、簡体語・繁体語、韓国語の5言語。
衛生上の理由から見学者は製造ラインには近づけないため、見えにくい部分を映像で閲覧してもらう仕組みを提供。写真は、せんべいの袋詰めの工程
2017年5月、「オランダせんべいFACTORY」2Fのカフェコーナーにタシステムを導入設置され、せんべいづくりの詳しい工程を紹介したコンテンツ「バーチャル工場見学」をご利用いただけるようになりました。導入後の効果を、観光事業部相馬勝喜部長に伺いました。
「設置後はまず、欧米の方がディスプレイをタッチして、楽しんでおられました。これで、米をつぶすところから薄焼きの独特の食感をもった生地をつくり出す当社独自の技術を、外国の方々にもよく理解していただけると思います。
また、今回導入したシステムをそのまま活用して、夏休み期間中に庄内空港で当社のPRを行うことになりました。今後は、仙台にLCCの国際線が就航するため、海外からの観光客の増加が見込まれます。より多くの方にこのコンテンツをご利用いただきたいですね」
最後に、佐藤社長に今後のビジョンについて語って頂きました。
「私は当初VRのような映像ができないかとイメージしていたのですが、予算的にも技術的にもまだ難しいと思っていましたが、今回リコーからの提案で、予算内でバーチャルな工場見学が実現できました。次は、RICOH THETAを生産ラインのコンベア上に載せて撮影し、せんべいの生地の視点で工程を体験できたらいいなと思います。今後さらに、もっと面白いコンテンツを提供し、当社を訪れた方々に他にはない楽しさを味わっていただけるよう進化させていいたいですね。」
2階のカフェコーナーに隣接した直売ショップはここでしか買えない商品やグッズが豊富
創業者の構想が形になって観光名所となったオランダせんべいFACTORY
お客様名称 |
酒田米菓株式会社 ![]() |
---|---|
URL | 酒田米菓 オランダせんべいFACTORY |
業種 | 食品製造・販売業 |
主な事業内容 | 米菓の製造・販売 |
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