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セットアップオフィスとは?注目の背景からメリット、向いている企業、事例まで解説!

オフィス移転先やリモートワーク用の拠点、新規事業開始のためのオフィスを検討する際、選択肢となり得るのが「セットアップオフィス」です。これは、フレキシブルなオフィス形態の一つとして近年注目を集めています。

今回は、セットアップオフィスの概要、他のオフィス形態との違い、メリット・デメリット、選定ポイント、利用に適した企業、活用事例までを解説します。

セットアップオフィスとは?

セットアップオフィスとは、内装や家具、インターネット回線、空調設備など、オフィスとしてすぐに利用できる状態で提供される賃貸オフィスのことを指します。一般的な賃貸オフィスとは異なり、入居者が自ら内装工事や設備投資を行う必要がない点が大きな特徴です。契約後すぐに業務を開始できる「即戦力型オフィス」です。

たとえば、あるセットアップオフィスでは、デスクやチェア、会議室、受付スペースまで完備されており、契約から最短1週間で入居・業務開始が可能です。こうしたスピード感と利便性は、急成長中の企業や、柔軟な働き方を求める企業にとって大きな魅力となっています。

また、セットアップオフィスの特徴として、共用スペースの充実や、ビル全体での統一感が施されている点も挙げられます。ラウンジやカフェスペース、ウェルネスルームなどが設けられている物件も多く、従業員の満足度向上や採用力の強化にもつながります。

セットアップオフィスが注目されている背景

1.働き方の多様化とスピード重視のビジネス環境

スタートアップやベンチャー企業を中心に、スピーディな事業立ち上げが求められるなか、内装・家具・インフラが整った状態ですぐに使えるセットアップオフィスは有効な選択肢の一つです。
「すぐに使える」「すぐに移転できる」という即応性が、変化の激しい現代のビジネスにマッチしています。

2. 初期コストの削減ニーズ

オフィス移転や新規開設にかかる内装工事費・設備投資の高騰が続く中、セットアップオフィスは初期費用を大幅に抑えられる点で注目されています。
特に資金に限りのあるスタートアップや中小企業にとって、キャッシュフローを圧迫しない点が大きな魅力です。

3. 柔軟な契約形態とスケーラビリティ

契約期間が柔軟な物件もあり、短期利用や増床・縮小にも対応しやすいため、事業の成長や縮小に合わせてオフィスを調整しやすいのが特徴です。
これにより、「スピーディーに事業を立ち上げ、必要に応じて拡張」という戦略が取りやすくなっています。

4. 人材確保・企業のブランド戦略への貢献

デザイン性の高い内装や共用スペースが整っている物件が多く、採用活動や企業のブランド戦略にも好影響を与えます。
求職者にとって働く環境の魅力は企業選びの重要な要素の一つとなっており、セットアップオフィスはそのニーズに応えています。

5. コロナ禍以降のオフィス再定義

リモートワークの普及により、「常に全員が出社する前提のオフィス」から「必要なときに使うオフィス」へと考え方が変化しつつあります。
セットアップオフィスは、ハイブリッドワークやサテライトオフィスとしても活用しやすく、柔軟な働き方を支えるインフラとして注目されています。

他のオフィスとの違い

近年、セットアップオフィス以外にも、フレキシブルに活用できるオフィスの需要が高まっています。次のようなオフィスがあり、セットアップオフィスとは異なる特徴があります。

居抜きオフィス

居抜きオフィスや居抜き物件と呼ばれる形態は、セットアップオフィスに近しいところがあります。これは過去の入居者の内装や設備が残った状態で賃貸する形態です。賃貸開始時に内装工事が済んでおり、什器もある程度残っている点では、セットアップオフィスと同様ですが、居抜きオフィスは退去時に原状回復費用がかかるのが一般的です。自社が施した内装ではないものの、契約時に引き継ぐことが多く、結局、退去時に原状回復工事費を負担することになることが多いです。

その点、セットアップオフィスは原状回復工事が不要なことが多いため、コスト面でメリットがあります。ただし、セットアップオフィスでも原状回復工事が必要なケースもあるため、事前に確認しましょう。

サービスオフィス

サービスオフィスは、シェアオフィスなどと同様に、物件の賃貸ではなく、サービス利用という形になるため、セットアップオフィスのように入居の際に敷金や仲介手数料はかかりません。サービスオフィスでは、スペースや什器、通信環境などを利用できるサービスで、提供元によっては電話応対や受付などのサービスも付随します。

シェアオフィス

複数の個人や企業で共有するオフィスです。これもサービス利用になるため、セットアップオフィスのように入居の際に敷金や仲介手数料はかかりません。
共有スペースは他社や個人利用者とシェアして利用しますが、別途、個室契約ができることもあります。また会議室の利用ができるプランもあります。

コワーキングスペース

シェアオフィスと同様に、複数の個人や企業で共有するオフィスです。固定席のないフリーアドレスの空間を共有するイメージです。シェアオフィスと比べて個室などは少ない傾向があります。

レンタルオフィス

オフィスをレンタルするイメージです。セットアップオフィスのように敷金や仲介手数料はかかりません。最低限の設備が用意されており、基本的に自社専用の個室を利用できます。会議室やラウンジなどは他の利用者と共有するのが一般的です。

バーチャルオフィス

住所貸しサービスで、物理的な空間の利用はありません。主に個人が自宅以外の住所を必要とする場合に利用されます。

セットアップオフィスのメリット

セットアップオフィスを利用することのメリットをご紹介します。

内装工事のコスト削減

セットアップオフィスではあらかじめ内装工事が済んでいるため、工事費の削減につながります。できるだけコストを削減したい場合、デザインにこだわりがない場合に向いています。

手間と時間の削減

内装工事や設備工事、基本的な什器の導入が済んでいることから、通常、数か月かかる期間と手間を削減できます。すぐにでも事業を始めたいスタートアップ企業などは最適です。

従業員のモチベーションアップ

セットアップオフィスはおしゃれで最新トレンドを取り入れた内装や什器であることも多いため、そこで働く従業員のモチベーションアップにつながることがあるでしょう。

急ぎの利用に最適

先述のようなスタートアップの創設時や人員増加時、一般企業の複数拠点をすぐにでも用意する必要があるケースなど、急ぎのオフィス利用が必要なときに最適です。

セットアップオフィスのデメリット

一方で、セットアップオフィスには次のようなデメリットがあります。

内装・レイアウトを自由にデザインできない

セットアップオフィスはすでに内装やレイアウトができあがっているため、自社のワークスタイルや従業員ニーズにマッチしたデザインにすることができません。通常、新たにオフィスを借りる際には、オフィスのコンセプト策定からレイアウト、動線設計から行いますが、そのような手順を踏んで自社のコンセプトに基づくオフィスを構築できない点は大きなデメリットといえます。

オフィス内装やレイアウトなどのデザインは思いのほか、従業員の業務効率や生産性に深く影響します。またフリーアドレスやチームコラボレーションなどの新しいワークスタイルを始めたいシーンでは、オフィスのレイアウトや環境を変更する必要がありますが、セットアップオフィスではそれが不可能です。

賃料が相場より高額になりがち

セットアップオフィスは内装工事や設備工事、什器の選定・購入・搬入などのコストがかからない分、賃料に上乗せされていることが多いです。そのため、通常のオフィス賃料よりも相場として高くなることが多くなります。

原状回復の工事コスト増しのリスク

先述の通り、セットアップオフィスは原状回復工事が必要な賃貸契約となることもあります。その場合は、退去時に自社で工事費用を負担する必要があります。

物件数が限定的

セットアップオフィスはそれほど多いわけではないため、もし利用を検討する場合は、立地条件や内装や設備、什器の条件を合わせにくいところがあります。

セットアップオフィスの選定ポイント

メリットとデメリットを踏まえたセットアップオフィスの選定ポイントをご紹介します。

セットアップオフィスが本当に最適か

セットアップオフィスは先述の通り、利便性が高い一方で、デザインの自由度が低く、コスト増しになる可能性があるなど、デメリットも大きいものとなります。まずは改めてセットアップオフィスが最適かを検討することをおすすめします。ポイントは、見た目や使い勝手だけでなく、自社のビジネスの目的が果たせるかどうかを考えることにあります。

最適な面積やレイアウトか

面積の適切さを確認すると共に、レイアウトは問題ないかを比較検討しましょう。例えば気軽なミーティングができるか、集中して作業できる場所はあるか、高いセキュリティを守れるかなど多角的に検討しましょう。

機能性は十分か

執務エリアや会議室など、各エリアや部屋の機能性も意識しましょう。使いやすいか、業務効率を妨げないかの視点で見渡してみましょう。

セキュリティ・プライバシー性はどうか

業務や用途によってプライバシーを保ちたいときに十分に保てるかという視点も重要です。例えば壁は十分に分厚く外部に会議の声が漏れないか、入退室管理が可能か、一人で集中作業ができるスペースはあるかなどを確認し、情報漏洩や不審者侵入リスクの度合いをチェックしましょう。

立地は問題ないか

従業員にとってアクセスしやすいか、目的を果たすための拠点として問題ないか検討しましょう。アクセスがマイナスだと負担が大きくなります。

これらのポイントを総合的に踏まえて複数のセットアップオフィスを比較して、最適なところを選定しましょう。場合によってはセットアップオフィス以外の選択肢もあり得ます。

セットアップオフィス利用に向いている企業

セットアップオフィスは、特徴的なオフィスであるため、すべての企業に向いているわけではありません。特に利用に向いている企業は、次の企業と考えられます。

スタートアップ、ベンチャー企業

先述の通り、小規模から事業を始めるスタートアップやベンチャー企業は、創業時の利用に向いています。期間を置かずにすぐに業務を始められる点がポイントです。

移転のイニシャルコストを抑えたい企業

内装工事や設備工事、基本的な什器の購入が不要であることから、イニシャルコストを削減できる点を最大限に利用したい企業にも適しています。

迅速な移転や業務開始を目指す企業

オフィス移転やサテライトオフィスとしての臨時利用などで、迅速性を求めている企業には一つの有効な選択肢となるでしょう。

短期間で別のオフィスへの移転が決まっている企業

一時的な利用時の選択肢の一つとなります。短期間で別のオフィスへの移転が決まっている、もしくはその可能性があるという場合、工事の原状回復が不要なセットアップオフィスを選べばコストや手間、時間を省けます。
ただし、一時的な利用であれば、シェアオフィスやレンタルオフィスなどの他の選択肢のほうが適している可能性があるため、それらも含めて検討しましょう。

セットアップオフィス利用に向いていない企業

一方、セットアップオフィスの利用には向いていないと思われる企業もあります。

オフィスに自社のこだわりやコンセプトを反映したい企業

オフィスデザインや設計は、自社の経営戦略に基づくコンセプトのもとで行います。セットアップオフィスはすでに内装やレイアウトが完成されているため、それがむずかしいのが欠点です。こだわりのコンセプトから生まれるオフィスづくりには向いていないでしょう。

会社の信頼性を重視する企業

セットアップオフィスを利用することは、コンセプトに基づくデザイン・設計のプロセスがないことから、一貫した企業姿勢やブランドに統一感が出せず、信頼性に多少劣るところがあります。信頼性を重視する企業は検討の余地がありそうです。

長期的にオフィスを構えたい企業

本社オフィスを構え、長期的な拠点としたい場合、セットアップオフィスを選ぶのは懸念があります。入居時の利便性を重視するか、長期的な視点でオフィスへ投資するかを天秤にかけ、後者に該当する企業は向いていないといえるでしょう。

セットアップオフィスの活用事例

セットアップオフィスの特性を踏まえて契約し、課題をうまく解決した活用事例をご紹介します。

スケジュール上、内装工事の時間が取れず選択

ある企業は、事業の成長を受け、従業員の数も急激に増加したため、オフィスが手狭になり、移転を検討しました。しかし翌月には業務ができるようにしたかったことから、スケジュール的に内装工事の期間を設けることができませんでした。このような理由からセットアップオフィスを選びました。

契約した物件には個室スペースが多く、Web会議室が増えていた同社にとって好都合でした。内装の雰囲気も好評で、快適なオフィス環境を整えています。

リモートワークからの出社増加によりニーズを満たす

ある企業は、コロナ禍でリモートワークを推進していましたが、コロナ後に出社が増えてきたことから、オフィスが手狭に感じるようになりました。そこで固定席とフリースペースの両方が確保でき、新しい働き方に対応できるセットアップオフィスに移転しました。完全防音の会議室もあり、セキュリティ性も確保できています。

長期的には自社オフィスのデザイン設計がおすすめ

ご紹介してきたように、セットアップオフィスは臨時の利用として適しています。

セットアップオフィスは一時的な拠点ととらえ、将来的には、経営理念やビジョン、経営戦略、ブランドに紐づくコンセプトに基づき、一からデザイン・設計するオフィスを作ることを検討することもおすすめします。

長期的に見れば、自社オフィスを持つことが会社としての信頼度を高めるでしょう。

まとめ

セットアップオフィスは、フレキシブルな働き方が浸透している中で、便利なオフィスといえます。その利用メリットとデメリットをよく踏まえ、選定ポイントをもとに最適なオフィスを選びましょう。
また将来的にはコンセプトに基づく一からのオフィスデザイン・設計の上で、オフィス作りを進めるのをおすすめします。

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