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ウェルビーイング*の取り組み事例15選!オフィスへの導入事例から成功させるポイントまで解説

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    ウェルビーイング:身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることを意味する概念。

肉体的・精神的・社会的に満たされた状態である「ウェルビーイング」の概念がビジネスシーンでも注目されるようになり、自社を取り巻くすべてのステークホルダーのウェルビーイングを目指す試みを経営に取り入れる動きも生まれています。

具体的にはどのようなことが行われているのでしょうか。制度や施策面の取り組みのほか、企業の取り組み事例をご紹介します。

ウェルビーイングの取り組みを進めたい方におすすめの内容です。ぜひ参考にしてください。

ウェルビーイングとは?取り組みの必要性を解説

ウェルビーイングの概要とウェルビーイング経営のトレンド、必要性を解説します。

ウェルビーイングとは?

ウェルビーイング(Well-being)とは、身体的・精神的・社会的に良好な状態にある「幸福」を表す概念です。一般的な幸福を意味する「ハピネス(Happiness)」は感情的かつ一瞬の幸せを指しますが、ウェルビーイングはそのような短期的に得られる幸福だけでなく、生きがいや人生の意義などを実感する持続的な幸福も含んでいます。

またウェルビーイングは、周囲の人々や地域、所属する組織、社会なども含めて幸福な状態にある、包括的な概念も含んでいます。

ウェルビーイング経営が進む

近年は企業が経営にウェルビーイングを取り入れる「ウェルビーイング経営」の動きが出てきています。

ウェルビーイング経営とは、従業員が身体的・精神的・社会的に満たされ、イキイキと働ける職場環境を実現することで、仕事へのモチベーションや組織とのエンゲージメントを高め、生産性の向上や企業成長を目指す経営手法です。

ウェルビーイングに取り組む必要性

なぜ企業は従業員のウェルビーイングの実現に取り組む必要性があるのでしょうか。

その大きな理由は、SDGs(*1)と関連していること、ステークホルダーとの関係性を強化する流れがあること、労働環境改善の必要に迫られていることなどが挙げられます。

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    SDGs:「Sustainable Development Goals」の略で「持続可能な開発目標」と訳される、国連総会で採択された2030年までに達成すべき国際目標。17の目標が掲げられている。

SDGsの17の目標のうち、3番目には「すべての人に健康と福祉を(Good Health and Well-Being)」という目標が掲げられており、ウェルビーイングの実現は、SDGsの観点からも求められています。

また近年は、国内の少子高齢化による労働力不足により、人材獲得や企業成長のためには従業員を含めたステークホルダーとの信頼関係が重要です。従業員が心身共に健康に働いていることを示すことで信頼性を向上させることができます。

さらに、多様な働き方を推進する働き方改革や、リモートワークなど急速に変化する働き方に対応するための労働環境の改善により、働きやすくする必要性が生じています。

これらを受け、企業はウェルビーイングに取り組む必要性が生まれてきています。

ウェルビーイングの一般的な取り組み方法

ウェルビーイングの一般的な取り組み方法をご紹介します。

心身の健康サポート

従業員の心身の健康維持をサポートすることで、ウェルビーイングのベースを作ることが企業の役割です。

例として、定期健康診断の実施や外部の検診費用の補助、メンタルヘルスサポート、健康的な食生活を送れるように栄養に配慮した社員食堂メニューの提供、食事補助などが挙げられます。

ワークライフバランスの実現

「仕事と生活の調和」を意味する「ワークライフバランス」を推進することで、性別・年齢・ライフスタイル問わず、働き続けやすい職場環境を作ります。時短勤務や在宅勤務など、ライフスタイルに合ったフレキシブルなワークスタイルを提供することは、幸せに働き続けられるための環境づくりの一つになります。

職場環境の改善

職場環境を設備面、空間面で改善することは、快適な環境での業務が可能になることから、働きやすさにつながります。その結果、心身共に健康に働き続けることが可能です。例えば、暑い夏場には適度な温度設定の空調をコントロールすることで、快適で健康的な環境で従事できます。

コミュニケーション活性化

人間関係の改善は、ウェルビーイングに寄与することは経験上、誰もが知っていることです。社内のコミュニケーションにストレスが生じている場合、ウェルビーイングに影響が及んでしまうでしょう。円滑な意思疎通やストレスのないコミュニケーション環境は重要な要素です。

従業員のキャリア・スキルアップ支援

従業員の仕事やキャリアにおける成功はウェルビーイングの重要な要素です。キャリアやスキルアップを支援するキャリア面談や資格取得補助などが施策として挙げられます。

社会貢献意欲の増進

従業員が、社会貢献を目指す組織の一員として誇り高く働けることは、社会的な幸せを得るために重要な要素です。組織のビジョンやパーパス(企業の存在意義や社会的意義などを指す言葉)を共有し、日々の仕事がいかに社会への貢献につながるのかを浸透させる機会を持つことは、一つの施策となるでしょう。

ウェルビーイングの取り組み事例10選

実際にウェルビーイングを実現するための取り組みを実施している企業の事例をテーマ別にご紹介します。

心身の健康サポート

1.ウェルビーイングサーベイの実施

定期的にウェルビーイングを測定するサーベイを実施し、心身の状態や課題を把握しながら、具体的な施策を実施する仕組みを作っています。

サーベイ結果を受け、運動不足や体重管理などに問題が大きいことがわかり、具体策として講師を招いてセミナーを開催したり、社員食堂にて無料で3食を提供したりしています。

2.ストレスチェックの実施

ウェルビーイングを目指し、従業員の健康を経営課題に据える「健康経営」も進めている企業です。健康経営のプロジェクトとして、ストレスチェックや組織活性度調査を実施しながら、長時間労働を削減したり、保健指導を提供したりするなどしています。

その結果、従業員の6割以上がウェルビーイング活動に参加しており、意識の変化が見られています。

3.禁煙サポートなど生活習慣の改善支援

従業員のヘルスリテラシーを向上させるために健康に関する情報発信やアーカイブ化、産業保健スタッフによる健康セミナーやメンタルヘルスセミナー、健康イベントの開催などを行っています。
また個々人の生活習慣の改善を目指し、禁煙サポートプログラムやアプリ利用の参加型運動イベントを開催するなどし、積極的にウェルビーイング施策を進めています。

4.健康アプリの導入

ウェルビーイング経営を進める中で、従業員のセルフケアを推進しており、ポータルサイトや健康アプリを導入し、従業員が健康状態をセルフチェックしやすい環境を構築しています。
その他、食育セミナーの開催や、会社の費用負担で数か月間、対象の従業員が外部のトレーニングジムを利用できるようにするなどの取り組みも行っています。

ワークライフバランスの実現

5.会社以外の場所で勤務可能

従業員がより柔軟に働けるよう、申請すれば自宅やカフェなどの会社以外の場所で従事でき、さらに平日5時から22時の間で自由に勤務時間や休憩時間を設定できる制度を設けています。従業員アンケートでは生産性向上や幸福度の向上、ストレス軽減などの結果が出ています。

6.男性向け育児休業制度の導入

従業員と職場の幸せを目指すべく、女性活躍推進施策として女性管理職を育成する研修カリキュラムの実施のほか、男性に育休取得を推奨するため、男性育児休業制度を導入しました。

その結果、男性育児休業制度の取得率は100%となり、世間から注目されています。

コミュニケーション活性化

7.社内ポータルサイトの活用

従業員が自身のスキルを最大限に発揮できる環境づくりに努めており、その一環として、社内コミュニケーション向上のために、従業員間のコミュニケーションを活性化させるポータルサイトを構築しています。

このサイトでは社内向けの自己紹介サイトを設けており、任意でプロフィール掲載を可能にしています。業務経験や趣味などの共有が、さらなる円滑なコミュニケーションを創出しています。

8.ピアボーナスによる心理的安全性の確保

従業員の心理的安全性(*2)を保つために、従業員同士で感謝や称賛の意味で送り合う少額のインセンティブ「ピアボーナス」を導入しています。さらにピアボーナスを評価指標とすることで、実施を促進しています。

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    心理的安全性:職場の誰に対しても自分の考えや気持ちを安心して話せる状態。

従業員のキャリア・スキルアップを支援

9.兼業や副業の推進

従業員の「人財」としての価値を高めるべく、働きやすさや働きがいを向上させるために、さまざまな施策を実施しています。その一つが、兼業や副業により、新たな知識やスキルを獲得することを奨励する取り組みです。

社会貢献意欲の増進

10.経営側と従業員との対話の機会創出

パーパス(企業の存在意義や社会的意義などを指す言葉)を実現する鍵としてウェルビーイングを位置づけています。そこで、企業の「価値」を共有することが重要であると考え、施策の一つとして経営側と従業員の対話機会を創出する試みを行っています。
これにより、従業員が自分の幸せや成長が会社や社会の成長に寄与するという好循環を促しています。

ウェルビーイングを実現したオフィスの事例5選

続いて、オフィスにおいてウェルビーイングを実現した事例を5つご紹介します。

1.カフェテリアスペースを新設

従業員のウェルビーイング推進とエンゲージメント向上を目的とし、カフェテリアスペースを新設しました。このスペースでは、ただのカフェではなく、食事やコーヒーを楽しめるスペースから、ソファでくつろげるスペース、マッサージチェアのある休憩スペースまで、さまざまな過ごし方ができる工夫がされています。

従業員が快適に過ごせると同時に、コミュニケーションの機会創出を実現している点が特徴です。

2.トレーニングルームの設置

健康経営やウェルビーイングの観点から、従業員の健康を向上させるべく、ジムとマッサージルームを導入しており、ヨガやピラティスのレッスンを導入するなど、本格的な運用を行っています。
あくまで疲れを癒すための位置付けにあり、ストレスがなく、他の従業員に見られることのない予約システムなどを通じて活発に利用されています。

3.フレキシブルなスペースを導入

オフィス改修の際に、社内外を問わずふさわしい場所を選んで仕事を進められる働き方「ABW(Activity Based Working)」を採用したことを受け、執務エリアの縮小やミーティング、社外とのコラボレーション、イベントなど、柔軟な用途に活用できるスペースの設置を推進しました。

ウェルビーイングの観点からはコミュニケーション活性化を目指しており、自然と生まれる立ち話を想定し、スタンディングデスクを導入するなどしています。

4.ABW(Activity Based Working)エリアの創設

健康経営を進める企業事例です。オフィス移転時にオフィスを刷新し、大胆にABWエリアを充実させたオフィス作りを実現しています。

個室のオンライン会議ができるブースのほか、テーブル席の集中スペース、和室の仮眠室、カフェテリアのようなコーヒーやお茶などが飲めるスペース、昼寝やランチをとれるスペースなどあらゆる使い方ができるスペースを設けるなど、従業員の健康をあらゆる観点から考えた取り組みを実施しています。

別途、トレーニングジムやマッサージチェアも導入しており、身体的なケアも促進しています。

5.執務エリアを壁がないオープン設計に

オフィスコンセプトをウェルビーイングを実現することに据えた後、執務エリアの空間作りを工夫しました。

壁がないオープン設計にし、広々とした空間を執務席エリア、コミュニケーションエリア、個人ブースエリアの3つに区分けして、柔軟な働き方を促進しています。

多様な価値観を持つ社内メンバーと安全につながれるオープンスペースの提供を通じてウェルビーイングの一端を実現しています。

ウェルビーイングに取り組むメリット

企業が組織としてウェルビーイングに取り組むメリットをご紹介します。

従業員エンゲージメントの向上

従業員エンゲージメントとは、「従業員と組織との間で生まれる信頼関係や絆」を意味します。向上させることで定着率が高まり、より組織目標に貢献する従業員が生まれます。

快適で働きやすい環境を整えることで、組織が従業員のウェルビーイングに投資してくれていると感じ、忠誠心なども向上するでしょう。

社内実践事例

LiveOffice「ViCreA みなとみらい(神奈川支社)」:2024年4月リニューアル

リコージャパンのワークスタイル変革へのチャレンジをお客様にご体感いただく空間である、LiveOffice「ViCreA(ヴィクレア)」の神奈川支社「ViCreA みなとみらい」では、ABWを実践するために執務室エリアの大規模リニューアルを実施。

最新のツール・インフラ整備により、固定された席に縛られず、作業内容やニーズに合わせて効率的で自由度の高い快適な働き方を選択できるようにしました。

従業員向けアンケート調査結果では、働きがいを感じられている社員は全体の68%となり、仕事へのモチベーションアップや会社ビジョン・自身の役割の理解度向上につながっていることがわかりました。

またリニューアル後のオフィスを友人へ紹介したいと考える社員は全体の70%となり、会社への誇りや一体感等の帰属意識向上も実現しています。

離職率低下

ウェルビーイングを推進することで心身共に健康を目指せることから、不調を早急に察知して対策が取れます。また従業員エンゲージメント向上は離職率低下にも寄与するでしょう。

健康経営の推進

事例でもご紹介した通り、ウェルビーイングは健康経営と親和性の高い取り組みです。健康増進による生産性や利益向上などを進める健康経営も合わせて取り組むことで、さらなる効果創出が期待できます。

企業価値の向上

投資家視点でも、ウェルビーイングへの取り組みが有効になってきています。投資の意思決定に利用する動きが見られる中では、ウェルビーイングの取り組みそのものが企業価値の向上につながっているといえるでしょう。

昼寝による生産性向上

「昼寝スペース」の提供、および仮眠チェアやソファの導入は、健康増進だけでなく、生産性向上にもつながります。

近年は昼寝に対してさまざまな研究がされており、短時間の仮眠がもたらす仕事への効果がクローズアップされ、グローバル企業の多くに取り入れられていることはよく知られています。

ウェルビーイングの取り組みを成功させるポイント

ウェルビーイングの取り組みを成功させるポイントをご紹介します。

サーベイなどの効果測定・改善

ウェルビーイングの施策を実施後、定期的に効果を測定し、改善施策を実施することで、効果を高めていくことができます。従業員満足度やエンゲージメント向上につながるでしょう。

経営トップのメッセージによる組織浸透

各種取り組みにウェルビーイングの意図が込められていることを、経営トップが繰り返しメッセージとして伝えることで、よりウェルビーイングの考え方を社内に浸透させられるでしょう。

オフィス改善プロジェクトの実施

オフィスでのウェルビーイングへの取り組みは、オフィス移転やリニューアルのタイミングで実施することが多いでしょう。その際に、ぜひオフィス改善プロジェクトとして大々的に実施し、ウェルビーイングのコンセプトを盛り込みましょう。

オフィスコンセプト策定からプロジェクトマネジメントまで、リソースやノウハウに欠ける場合は、リコージャパンのような支援実績と課題解決のお手伝いをする専門会社を利用するのもおすすめです。

まとめ

ウェルビーイングを社内で実践する取り組みは、企業規模問わず広い範囲で進められています。
そのような中、ウェルビーイングな取り組みを進めるためには、目的やメリット、出したい効果を理解し、社内に浸透させることが重要です。

ウェルビーイングをオフィスに反映する際には、設備や機器などを工夫しながら取り入れましょう。

リコージャパンでは単なるデザインやレイアウトの変更ではなく、企業の成長に寄与するオフィスづくりのコンセプトとしてRICOH Smart Huddleを提唱しています。

リコージャパンでは、リフレッシュルームやトレーニングルームなどのアイデアや社内実践事例がございます。見学も可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

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