オフィスの設備的な環境は、従業員の快適性や業務効率に直接影響することから、適切に整えることで、生産性向上やモチベーションアップ、従業員満足度向上などのメリットが見込めます。
今一度、オフィス環境を見直して、意外と知らないオフィス環境の設備が従業員にもたらす影響を確認しておきましょう。また生産性を向上させるオフィス環境の条件、オフィス環境の設備面のよくある課題、解決するメリット、課題解決のアイデア、改善するポイントを解説します。
オフィス環境において、特に設備がもたらす影響を見ていきましょう。
ここでいう設備とは、デスクや椅子、キャビネット、パーティションなどの家具・什器、観葉植物、空調や温度管理システム、電気、ネット回線などのインフラ設備、入退室管理システムやWeb会議システムなどのシステム、執務スペース以外のリフレッシュスペースやカフェスペースなどが挙げられます。
これらの設備は従業員にどのような影響をもたらすのでしょうか。
オフィス環境の設備面にネガティブなものがあると、従業員はストレスを感じてしまいます。例えば、「デスクが狭い」「Web会議をするときに声が漏れる」「準備に時間がかかる」「休憩スペースにいつも人が多くてまったく休まらない」などの悩みがあれば、ストレスを感じるでしょう。これらの設備を改善することで、ストレスを低減することができます。
リフレッシュスペースを設けることで従業員がひとときの休憩ができたり、観葉植物を置くことで癒されたりと、従業員の心身に影響します。
オフィス環境の設備は業務効率に大きな影響をもたらします。例えばデスクとキャビネットの位置が離れ過ぎていると作業効率が低下します。また、空調が壊れてしまい夏場に暑い中で仕事をしなければならない状況になれば、業務効率は低下するでしょう。反対に、ネット回線で高速通信できる環境であれば業務効率が上がります。
オフィス環境を複合的にとらえた場合に、従業員満足度や従業員エンゲージメント*に影響するでしょう。
理想的な生産性を向上させるオフィス環境の条件を紹介します。
従業員が作業する際に十分に余裕のあるスペースがあること、またデスクや椅子、キャビネット、パーティションなどが使いやすいかどうかは、業務効率を上げるためのポイントです。
空調や温度・湿度管理システムの状況を調査し、快適さを保てるようにします。また照明については適切な照度や色味をスペースごとの用途によって使い分けることも考えましょう。
ネット回線や社内ネットワークの環境が適切かどうかが問われます。Web会議がすぐに始められるような仕組みを作っておくのも有効です。
従業員が集中して業務ができるスペースの確保や、休憩やリフレッシュできるスペースを確保することが生産性向上のために大切です。
思い立ったときにすぐに打ち合わせを始められる環境はあるか、ビジネスチャットツールなどのいつどこにいても連絡を取り合える仕組みはあるかなどを確認し、社内コミュニケーションがスムーズな状態を保つことは生産性を上げる重要な条件です。
情報漏洩や盗難などを防ぐために、顔認証の入退室管理システムを導入するなど、高いセキュリティ体制を敷くことは、生産性をキープするための最低条件といえます。
オフィス環境の設備面にまつわる企業が抱えがちな課題として、次のものが挙げられます。
従業員にとって、いずれも放置すればストレスが高まり、業務効率を著しく下げることになりかねない課題ばかりです。早急に改善措置を取る必要があります。
オフィス環境の課題を解決するメリットを解説します。
オフィス環境の設備面の課題を一つ一つ改善することで、ストレス軽減、業務効率アップ、生産性向上、モチベーションアップなど多様な効果が出てくるでしょう。
環境が快適で優れているオフィスでは、「長く働きたい」という気持ちが芽生えやすくなり、自ずと定着率が高まることが期待できます。さらに優秀な人材も確保しやすいため、採用率向上にもつながるでしょう。
オフィス環境の設備面を整えておくことで、万が一の災害時にも備えやすくなります。災害対策は別途行う必要がありますが、環境を整備することで土台が作られ、災害対策も実施しやすくなるでしょう。
先述の通り、オフィス環境は働きやすさに直結することから、従業員満足度と従業員エンゲージメント共に向上につながります。
リコージャパンでは単なるデザインやレイアウトの変更ではなく、企業の成長に寄与するオフィスづくりのコンセプトとしてRICOH Smart Huddleを提唱しています。
先述のオフィス環境の設備面の課題を解決するアイデアをご紹介します。
必要に応じて、オフィスレイアウトを変更します。
例えばフリーアドレスやABW(Activity Based Working)*などの新しい働き方を導入・定着させるには、固定席をなくし、従来のレイアウトを刷新する必要があります。
またミーティングやリフレッシュ、集中などの機能を備えたオープンスペースを設けて、業務内容に応じて場所や働き方を選べる環境を作っておくことも有効です。
作業スペースが狭いと、業務効率を下げてしまいます。従業員一人ひとりに作業スペースに関する要望を聴き、狭い場合は広げることで生産性向上につながるでしょう。
デスクや椅子の高さや使い勝手、使い心地はどうかを確認し、見直しを図ることで、より快適な業務環境を作ることができます。
RICOH Smart Huddleのコンセプトでは、好きな場所で好きに働けるよう工夫した執務スペースをご提案しており、座席・会議室予約システムを採用しています。
自ら働く場所や座席を選んで働く新しい働き方を実現するには、リモート先からオフィスの状況を把握し、簡単に座席や部屋を予約できるインフラストラクチャー*が必要です。ホテリングのような予約システムや、混雑状況を可視化するセンシングシステムを組み合わせ、インフラストラクチャーを構築します。
空調のコントロールや温湿度管理の状況、照明の明るさや色味などを見直し、業務に最適化されているかを確認しましょう。
従業員の作業動線は、業務効率に直結する重要な部分です。現場の従業員に丁寧にヒアリングし、現状、妨げになっている点に焦点を当て、最適な動線を設計し直すことが大切です。
オフィス内にカフェやトレーニングルームを設置することで、従業員が持つ「休憩する場所がない」という悩みを解決します。
RICOH Smart Huddleのコンセプトでは、トレーニングルームと集中ブースを導入したウェルビーイング*を促す環境をご提案しています。自然との調和を意識したデザイン手法である「バイオフィリックデザイン」やアロマ演出でウェルビーイング空間を創り出します。
オン/オフの切り替えがしやすく気持ちよく働け、リラックスとエクササイズで生産性が向上します。またリフレッシュしたい従業員が自然と集まるため、心地よくコミュニケーションを取ることが可能です。
集中ブースも配置し、騒音マスキングができるブースにより、個人作業やリモート会議に集中できるようにします。
オフィスに観葉植物などのグリーンを導入することはストレス軽減などに役立つといわれます。また近年は「バイオフィリックデザイン」がトレンドになっています。これは人間が本能的に持つ「自然とつながりたい」という欲求に基づき、植物、自然光、水、木材などの自然要素を空間に取り入れる設計手法です。
ストレス軽減や集中力向上、創造性の促進など、心身の健康や快適性アップに寄与します。
オフィスでは、Web会議の音声や従業員同士の会話、PCのタイピング音などさまざまな気になる音があります。業務への集中効率を考えた場合は極力、低減する必要があるでしょう。特に会議やWeb会議中の音声は機密情報を含むこともあり、セキュリティの観点からも対策が必要です。
オフィスの防音対策として、防音壁・防音ガラス・防音天井・防音床、サウンドマスキング(会話の内容を他の人が聞き取れないようにする技術)、セキュリティ強化型防音ドア(防音性とともに、盗聴防止機能を備える)などがあります。
万が一の大震災や火事などに備えて、避難経路の確保、天井の落下防止、家具・設備の固定などの災害対策を施すことも忘れずに行いましょう。
オフィス環境の設備面を改善するポイントをご紹介します。
オフィス環境の改善の一番のポイントは、現場の従業員の声を聞くことです。オフィスで働く当人の意見や心情を聞くことで、これまで見えなかった課題に気づくこともあるでしょう。
これまでご紹介してきた通り、オフィス環境の設備面は多様であり、あらゆる箇所を改善したいと考えることもあるでしょう。しかしすべてを対応しようとすると、コストが増してしまいます。
まずは優先的に解決すべき課題から取り組み、段階的に実施していくことをおすすめします。
オフィス環境を改善することを得意とするプロに相談するのも一案です。改善のアイデアや技術に関する知識やノウハウがない場合も多いでしょう。プロに相談すれば、課題に応じた最適な改善策を提案してくれるはずです。
オフィスの設備面から環境を改善し、効果を出した事例をご紹介します。
リコージャパン株式会社 本社事業所では、社内コミュニケーション促進や業務効率の向上などを目的にオフィスリニューアルを実施しました。
具体的な課題として、部門間のコミュニケーションのとりづらさや、出社率の変化への対応、リアルとオンラインの共存、作業ごとに選べる場所の選択肢を増やす必要性などがありました。
そこでオフィス環境を改善するべく、働き方を選べるゾーニングと什器バリエーション増加、会議サポートツール導入を行いました。
ゾーニングでは、コミュニケーションや集中作業、打ち合わせなどエリアを分け、中央のコミュニケーションエリアを拡大しました。什器は集中エリア、ハイカウンター、ファミレスブースなど選択肢を増やしました。各会議室にはRICOH Collaboration Board(電子黒板)や複数人でオンライン会議ができるMicrosoft Teams Rooms、マイクスピーカーなどを導入し、リアルでもオンラインでも会議をしやすい環境づくりを実現しました。
これらのオフィス環境の設備面を含めた改善により、効率的な作業やミーティングを促進し、課題解決につながりました。
株式会社保健科学研究所様は、オフィス移転に際して、今後グローバル展開を目指すため、オープンな姿勢をオフィス環境にも反映させたいと考えていました。
そこで港が近いオフィスの立地を活かした見晴らしの良いオープン設計に加え、ABWも取り入れ、フリーアドレス、スタンディングミーティングエリア、ソロワークスペースなど自由でオープンな働き方を追求する施設を作りました。
その結果、従業員の意識や働き方にも変化が見られ、自然と周囲に目が向くようになったことで横のつながりが生まれ、以前と比べて声かけが増えるなどコミュニケーションが増加し、生産性向上につながりました。
オフィス環境の設備面の改善についてお困りの場合は、リコージャパンにご相談ください。
オフィスリニューアル・移転時には、方針策定からプロジェクト計画・管理、設計・デザイン、什器・ICT機器選定、内装・設備工事、什器・ICT機器導入設置、プロモーション支援、運用サポートまで、ワンストップでのご対応が可能です。
プロジェクトマネジメントとしてのトータルサポートを通じて、お客様の課題に基づき、改善のご提案および解決のために伴走いたします。
オフィス環境の設備面の見直しは、従業員のパフォーマンスやモチベーションアップ、社内コミュニケーション活性化を通じて、組織にメリットをもたらします。
オフィス環境の改善を目指す際に直面する課題について、解決策をご紹介しましたが、リソースやノウハウ面で対応が困難なケースもあるでしょう。その場合には、リコージャパンにおまかせください。
リコージャパンでは多様化する経営環境に合わせ、デジタルサービスとワークプレイスを組み合わせた「RICOH Smart Huddle」のコンセプトのもと、働き方のリニューアルをサポートし、お客様のご支援をいたします。
部分的なリノベーションやデザイン・設計、什器やICT機器の選定など、ピンポイントでのご対応も可能ですので、お気軽にご相談ください。
弊社の実践事例も紹介できますので、「RICOH Smart Huddle」の詳細は、以下よりご覧ください。
この一冊で、最新の7つのワークスタイルが分かり、お客様の課題を解決に導きます。
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