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RICOH 製造業DX 実践ラボ

製造業DXを推進する製造現場へのロボットの導入を解説

物流
加工・組立
コスト削減
作業リスクの削減
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新型コロナの影響が収束しつつある現在、製造業および産業界全体がさまざまな課題と向き合いつつ、アフターコロナに向かって着実に歩みを進めているフェーズだと言えるでしょう。本コラムでは製造業における課題を再確認した上で、それを解決する手段としての製造業DXのメリットと製造業DXの大きな推進力となるロボット導入について解説します。製造現場の課題解決に取り組みつつあるご担当者はぜひ参考にしてください。

製造業DXにおけるロボットの役割

まず初めに、製造業における直近の課題とDXの関係、さらに製造業DXにおけるロボットの役割はどのようなものかを確認しておきましょう。

製造業で顕在化している主な課題

製造業における課題にはさまざまなものがありますが、業界内で共通したものとしては主に次のような事項が挙げられます。

・少子高齢化による人手不足
・人件費の高騰
・技術承継先の不足、遅延
・設備投資不足
・カーボンニュートラルへの対応

製造業DX推進の効果とロボットの位置づけ

製造業における共通課題を解決する方法の1つとして、今さまざまな分野で進められているのがDX(デジタル・トランスフォーメーション)です。一般的にDXは「デジタル技術によるビジネス変革」のこと。特に製造業DXでは、最新のデジタル技術を用いて入荷から組立・製造、検査まで製造工程におけるあらゆる情報を一元管理し、その情報に基づいて生産性や安全性、品質を向上させながら同時にコストダウンも同時に実現するような生産プロセスの変革のことを意味します。

製造業DXを推進した際の効果には、例えば次のようなものがあります。
・製造ライン自動化による人手不足解消、安全性向上
・生産状況の可視化による生産性や品質の向上
・生産コスト削減
・生産技術の非属人化

製造業DXによる生産ラインの自動化で特に重要となるのが産業用ロボットです。これまでもさまざまな製造工程でロボットが活用されてきましたが、最新の開発技術により、機械学習やAIのような人工知能の応用により、ロボットは環境の変化に対応し、自己学習能力を持つようになりました。今後DXが進むにつれてその役割は今まで以上に重要になってきます。

≫ 関連コラム:製造業におけるDXとは- DX推進の課題や成功のポイントとは

ロボット導入の効果と課題

では実際にロボットを導入することでどのような効果が得られるのか、また、導入に際しどのような課題があるのかを見ていきましょう。

ロボット導入の効果

製造現場へのロボット導入には次のような効果があります。

・省人化による人手不足の解消
自動化によって必要な作業員数が減少。人手不足解消につながります。作業負荷が軽減されるために人員募集も容易になります。

・人件費削減
必要作業員が少なくなることで、当該作業に関わる人件費を削減できます。

・生産効率が向上
ロボットによる自動化が進めば、単純なものであれば従来人が行っていた以上の速度で作業することが可能になります。また、近年ではAIなどの最新技術を活用して、より複雑な作業の自動化も可能になっています。

≫ 関連コラム:工場の省人化とは?製造業に必要な無駄の削減と効率化
≫ 関連コラム:製造ラインの省人化で生産性向上~小回りが利き、狭いスペースでも運搬可能なAGV(無人搬送車)~

・稼働率の向上
状況や必要性に応じて昼夜問わず生産設備を稼働することができるので、工場の稼働率が上がります。

・安全性の向上
危険な作業をロボットが代替することで、作業員が事故に巻き込まれるリスクを減らすことができます。

≫ 関連コラム:工場での作業員の安全性を高めるAGVの導入とは

・品質の安定
ヒューマンエラーが発生せず繰り返し正確な作業が可能になるため、生産品質が安定します。

ロボット導入における課題

生産現場へのロボット導入に際しては、次のような課題があります。

・初期投資が必要
ロボット導入時には、本体の購入費用に加えて周辺設備の費用や設置費用、初期設定などのインテグレーション費用などが必要になります。

・メンテナンスや故障対応する人材またはコストが必要
導入後の設定やプログラムの変更、バージョンアップやその他環境変化の対応、さらに不具合対応など、さまざまなメンテナンス作業が必要になります。自社でそのための人材を確保するか外部の業者に委託するかいずれかの対応が必要になります。

製造現場で効果を発揮するロボットの種類

製造現場でのさまざまな作業に合わせて、ロボットの種類も多種多様です。主に次のようなものがあります。

・垂直多関節ロボット
人間の腕に近い構造を持つ多軸ロボット。6軸前後の多関節と台座の回転により複雑な動作ができるのが特徴です。溶接や塗装、組み立てから搬送までさまざまな工程に導入されています。自由で複雑な動きが可能な反面、制御が難しいというデメリットがあります。

・水平多関節ロボット
水平方向の2つの回転軸と上下方向の直線軸を持ったロボットです。垂直多関節ロボットのように複雑で立体的な動きはできませんが、構造や制御がシンプルなことが特徴。平面的な動作を正確かつ高速に行うことができます。主に組み立てや搬送などに活用されています。

・パラレルリンクロボット
2本1組のアーム3~4対を並列に配置して、1つの先端部分をそれらのアームで支持するタイプのロボットです。複数のアームで1つの支持先を制御するので高速動作が可能。食品の選定や整列に多く用いられています。ただしあまり重量のあるものは扱えません。

・無人搬送車(AGV)
無人で資材や荷物を搬送・運搬する搬送ロボットです。事前に有色テープや磁気テープなどで搬送路を設定。それを自動検知して無人搬送します。事前に搬送路設定が必要ですが、導入の手軽さが特徴です。

≫ 関連コラム:AGV(無人搬送車)とは- 導入メリットや基礎知識

・自律走行型搬送ロボット(AMR)
カメラやセンサーを搭載し、周囲の状況や障害物を自ら検知しながら目的の場所に移動するタイプの搬送ロボットです。AGVのように事前の搬送路設定は不要ですが、あまり重量のあるものは運搬できません。

・棚搬送型ロボット(GTP)
作業者のいる場所へ棚ごと商品を運んでいくロボットです。ピッキングや格納作業の際に人のいるところへ商品などを運搬。作業者の移動が不要になり効率良く作業できるようになります。

ロボット導入時の留意点と成功のポイント

多くのメリットがあるロボット導入ですが、その特徴を最大限活かすためには次のような点に留意する必要があります。

・各ロボットの特徴を把握した上で、自社の課題に適した種類のロボットや製品を選択する
製造現場に適用できるロボットには多くの種類があります。ご紹介したもの以外も含めてそれぞれの機能やメリット/デメリットを把握し、適用先の製造ラインや工程に最も適した種類のロボットや製品を選択する必要があります。また、既存設備との連携も考慮しなければなりません。

・必要なコストを正確に把握し、償却計画もしっかり立てる
導入時にロボットの本体価格を含めて一定以上の初期費用が必要です。また、メーカーの保守費用などのランニングコストも必要になる場合も多いでしょう。さらに、中長期的に考えると、生産ライン変更などに対応するための改修費用も考慮すべきです。これらを踏まえた上で適切な償却計画を立案しておきましょう。

・安全性を検証する
搬送ロボットのように移動が多いものや、人の近くで稼働する協働型のロボットでは、人との接触リスクなどを十分に検証する必要があります。特に狭い場所での作業に関しては注意が必要です。

・メーカーのサポート体制を確認する
導入後に何らかの保守や改修が発生する可能性が高いので、メーカーのサポート体制は非常に重要です。具体的にどのようなサポートを受けられるのか、料金体系はどうなっているのか、また、長期的にしっかりとサポートを受けられるようなメーカーなのか、などを確認しておく必要があります。

ロボット導入例「リコー AGV(無人搬送車)」

リコーのAGV(無人搬送車)は、高精度ガイド方式を採用した無人搬送車です。市販のビニールテープで搬送路を設定できるので、手軽かつ低コストで導入や搬送路変更などができるのが特徴。ピッキングと部品共有の担当者さえいれば、部品や資材などの搬送はリコーのAGVが実施し、容易に工場内物流を自動化できます。

作業員は搬送作業から開放されて負担が軽減。工場内物流のスピードも向上するため、工場全体の生産効率も上がります。ピッキングなどの作業もロボットを導入すれば工場内物流の完全自動化も可能で、自社のDXを大きく前進させることができます。リコーのAGV(無人搬送車)の詳細は下記からぜひご覧ください。

AGV(無人搬送車) | リコー

≫ 関連コラム:工場内物流プロセスの自動化を実現する自動搬送車(AGV)の活用とは

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