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RICOH 製造業DX 実践ラボ

スマートファクトリーの成功事例を紹介!実現までのロードマップも解説

デジタル化(DX推進)
製造現場の見える化

生産現場の効率化、品質向上、コスト削減。これらを実現するために、スマートファクトリーへの移行は今や製造業における重要な取り組みのひとつとなっています。しかし、具体的にどのようにしてスマートファクトリーを実現するのか、成功事例はどのようなものがあるのか、といった疑問を持つ方も多いでしょう。

本記事では、スマートファクトリーとは何かから始まり、実現までのロードマップ、成功事例、目指すべき点や注意点まで、一連の流れをわかりやすく解説します。

スマートファクトリーとは

スマートファクトリーとは、情報技術(IT)、運用技術(OT)、インターネットオブシングス(IoT)などを活用して、製造現場の自動化やデータ連携を強化し、生産性の向上、品質の安定、コストの削減を実現する生産システムのことを指します。

スマートファクトリーの実現には、データを収集し分析することで、製造プロセスの最適化や予測保全などが可能になります。これにより、従来の製造工程では見えにくかった問題点を明らかにし、効率的な生産体制の構築ができるようになるのです。

スマートファクトリーを実現するまでのロードマップ

スマートファクトリーを実現するためには、段階的に計画を進めていく必要があります。ただし、スマートファクトリーを実現するためのロードマップは、企業の規模や業種、現状のデジタル化レベルによって異なります。

一般的な進め方は、下図の通りです。

システムの導入ステップ

参考:経済産業省|「 スマートファクトリーロードマップ 」〜 第4次産業⾰命に対応したものづくりの実現に向けて 〜

Step1. スマート化の構想を策定する

最初のステップは、現状の生産ラインや業務プロセスを把握し、どの部分をスマート化するかの構想を策定することです。

ここでは、目指すべきゴールや目標を明確に設定し、それに基づいた計画を立てます。スマート化の目的が品質の向上なのか、生産効率の向上なのか、またはコスト削減なのかによって、取り組むべきポイントが異なってきます。

Step2. トライアル・システム導入を進める

構想が固まったら、小規模なトライアルやピロットプロジェクトを通じてシステム導入を進めます。

導入までのステップは、以下の通りです。

  1. 1. システム導入
  2. 2. 設備導入
  3. 3. データ収集・分析体制の構築
  4. 4. 人材育成

この段階では、計画した構想が実現可能かどうかを検証し、必要に応じて計画の修正を行います。また、システムの導入にあたっては、適切なベンダー選定や技術選定も重要な要素です。

Step3. 運用

システム導入後は、運用フェーズに移ります。ここでは、システムの定期的なメンテナンスやアップデート、運用状況のモニタリングを行います。

また、スマートファクトリー化によって収集される大量のデータを分析し、さらなる改善点を見つけ出すことが重要です。

スマートファクトリーの成功事例3選

ここからは、スマートファクトリーの成功事例を3つ紹介していきます。

データ連携によるスマートファクトリーの推進

ある企業では、自社の主力製品の一つが工場現場の自働化のための機器(FA機器)であり、各機器を連携させることで、「コスト削減や品質向上につながるのではないか?」という考えがありました。

そこで、FA技術とIT技術を活用したものづくりを指向するソリューションの実現のため、双方を連携させるための技術の開発や、その実証を行う自社モデル工場を増やすことで機器やサービスの改良を重ねていきました。

スマートファクトリーに必要な技術領域を網羅できるようパートナープログラムを発足させた結果、生産現場の情報だけでなく、CADデータなどエンジニアリングチェーンのデータとの連携も実現しています。

参考:経済産業省|製造業DX取組事例集

PoC実施によるスマートファクトリー実現に向けた効果

ある企業では、エンジニアリングチェーンとサプライチェーン、それぞれを担う製造システム・基幹システムやツール類をIT子会社で長年内製していました。しかし工場や支店の海外展開が拡大する中、それぞれの拠点において独自システムが作られるなど、非効率なやり取りがなされていたことが課題の一つでした。

そこで、マーケティングや生産部門などさまざまなバックグラウンドの人材を集め、「デジタル戦略部」を立ち上げます。その中で、「デジタルマーケティング」「コネクテッド」「スマートファクトリー」「データ分析」の4つのテーマで年間数十個のPoCによる検証を実施、センサーによる生産データ収集と分析、ナレッジのデータ化などを行いました。

その結果、不良率低減などの効果を上げることに成功しています。

参考:経済産業省|製造業DX取組事例集

在庫状況の見える化によるスマートファクトリーの推進

自動車部品の製造をメイン事業とする企業では、在庫管理を手作業で行っており、在庫不足や在庫超過などが問題となっていました。そこで、永続企業実現のためにスマートファクトリーを目指すにあたって、一元管理できる在庫管理システムを導入することに決めました。

手書き台帳を廃止し、工場の各部署に置かれたタブレット端末へ在庫状況をリアルタイムで入力するようにしたことで、作業工数を3分の1程度に短縮しています。その結果、事務所で各部署の在庫状況が一元管理できるようになり、在庫の過不足が解消されました。

そのほか、図面データの保管と検索もタブレットを使って行えるようになり、作業効率が向上しました。

参考:リコー|事例一覧

スマートファクトリー化を目指すにあたって役立つサービス

スマートファクトリー化を進める上で、外部の専門ベンダーやサービスを活用することが有効です。これにより、技術的なハードルを低減し、導入のスピードアップが期待できます。

具体的には、以下のようなサービスが挙げられます。

  • ● AGV(無人搬送車)
  • ● 作業支援カメラシステム
  • ● RFIDソリューション

参考:リコーの製造業DXソリューションサイト

重要なのは、自社の目指すゴールに合ったサービスを選定することです。

なお、以下の記事で詳しくサービス内容を紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。

関連記事:工場の省人化とは? 製造業に必要な無駄の削減と効率化
関連記事:AGV(無人搬送車)とは - 導入メリットや基礎知識
関連記事:ポカミスとは? 製造業におけるポカミスの原因と対策

スマートファクトリー化を進める上での注意点

スマートファクトリー化を進める際には、以下の点に注意しましょう。

  • ● 目標の明確化
  • ● 人材の確保・育成
  • ● 費用対効果の検討
  • ● 既存システムとの連携

目標の明確化

スマートファクトリー化の目的やゴールを明確に設定することが重要です。

目標が不明確だと、導入後の評価が困難になります。また、導入する技術やシステムが定まらず、効果が得られないかもしれません。

人材の確保・育成

スマートファクトリー化には、ITやOTの知識を持った人材が必要です。そのため、適切な人材を確保し、育成することが成功の鍵を握ります。

費用対効果の検討

導入には多額の費用がかかることがあります。スマートファクトリー化には、システム導入や設備投資などの費用がかかります。

そのため、導入する技術やシステムの費用対効果を、事前にしっかりと検討する必要があります。

既存システムとの連携

多くの企業では、既に大小さまざまなシステムを導入していることでしょう。スマートファクトリー化する際には、既存システムとの連携も考慮しなければなりません。システム間の互換性がないと、導入後に大きな問題が発生する可能性があります。

そのため、スマートファクトリー化は、いきなりすべてを導入するのではなく、段階的に進めることが重要です。まずは、比較的導入しやすい技術から始め、効果を実感しながら徐々に範囲を広げていくと良いでしょう。

まとめ

スマートファクトリーへの移行は、製造業における競争力を強化する上で欠かせない要素です。本記事で紹介したロードマップや成功事例、役立つサービス、注意点を参考にしながら、スマートファクトリーの導入を検討することをおすすめします。スマートファクトリー化は一朝一夕には達成できない長期的なプロジェクトですが、計画的に進めることで、生産効率の向上、品質の安定、コストの削減といった多大なメリットを実現できます。

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