取引先企業などが本社や事務所の移転をすると、お祝い品として、胡蝶蘭や観葉植物などを贈る習慣があります。またマナーが存在するため、それをしっかりと踏襲しながら適切な対応をする必要があるでしょう。
また、自社がオフィス移転し、お祝い品を関係者からいただいた時には、注意点や管理ルール、お返しや整理の方法などで、総務担当者を悩ませることもあります。
そこで今回は、オフィス移転のお祝いの概要から贈る側のマナーと対応のポイント、お祝いを受け取る側の対応のポイントまでをご紹介します。また、オフィス移転のお祝いには胡蝶蘭や観葉植物を受け取ることが多いため、オフィス環境としてのグリーン(植物)の活用方法もあわせてご紹介します。
オフィス移転のお祝いの概要をご紹介します。
オフィス移転のお祝いとは、会社のオフィス移転をお祝いするための各種行為です。品物の贈呈だけでなく、お祝いのメッセージを贈ることもあります。いずれにしても、オフィスの移転によって、今後、会社が発展し、成長を遂げていく新たな門出をお祝いします。
オフィス移転のお祝いの目的は、取引先との関係をより深いものにすることや、今後の発展をよりお祈りすることなどが挙げられます。
オフィス移転のお祝いに選ばれる一般的な品としては次のものがあります。
胡蝶蘭は、オフィス移転のお祝いの定番の花です。「幸せや発展を願う」などの意味合いがあり、お祝いの花として縁起が良いといわれています。また胡蝶蘭自体は、見た目が華やかな一方で、香りがほぼない上に花粉がほとんど落ちないという特徴があります。また比較的、長持ちしやすいこともあり、オフィスやお店などに飾るのに適している点も、よくお祝いに使われる理由です。
観葉植物もオフィス移転の際によく贈られる品です。観葉植物はさまざまな種類がありますが、パキラやポトス、ガジュマルなどが一般的です。
食品の中でも菓子類はよく贈られる品です。オフィスで働く人々が気軽に食べることができます。また食べ物は「消え物」といわれており、食べればなくなり、かさばることも少ないため、喜ばれやすいといえます。
オフィスで役立つ備品を贈るケースも少なくありません。例えば、オフィスに欠かせないコーヒーメーカーや文房具などは普段から使ってもらえることから人気です。
ギフト型カタログは先方の好みがわからないときや、相手にお好みのものを選んでもらいたいときに利用できます。商品券も、お店などで用途限定なく利用できるため、ギフト型カタログと同様に先方の好みに合わせて利用してもらえます。
オフィス移転のお祝いを贈る側として、やるべきことやマナー、対応のポイントをご紹介します。
オフィス移転のお祝いはほとんどの場合に贈ることになりますが、贈らないケースもあります。それは、主に次の2点があります。
縮小移転とは、事業縮小による移転を指します。また、企業によっては事業を撤退することもあります。
取引先がこのような縮小移転をする場合には、多くの場合、今後の発展や成長のための"おめでたい"移転ではないことから、オフィス移転のお祝いは基本的に贈りません。縮小移転と知らずに贈ってしまうとマナー違反となる恐れがあるため注意が必要です。取引先企業の事情をしっかりと把握し、失礼のないようにしなければなりません。
事業拡大のためのオフィス移転をする場合にも、贈ってはいけないケースがあります。それはオフィス移転をする企業がオフィス移転のお祝いを辞退しているケースです。あらかじめ取引先企業にオフィス移転のお祝いを贈ってもいいかを確認することが重要です。
上記の2つに該当しても、場合によっては贈る場合もありますので、ケースバイケースで対応しましょう。
取引先からオフィス移転のお知らせを受けたら、オフィス移転のお祝いを贈ってもいいか、事前に確認しましょう。贈っても問題ないとわかったら、準備を始めましょう。
オフィス移転のお祝いは、大きく分けてメッセージによるお祝いと品物によるお祝いの2種類があります。
メッセージを贈る際には、お祝い状や電報の形でオフィス移転の前日や当日に届くように手配しましょう。もしメールなどでオフィス移転のお知らせを受けた場合は、まずはメールでお祝いのメッセージを伝えましょう。
またお祝い品については、移転の翌日から2週間以内に届くように手配するのが良いといわれています。
ここで大切なのは、配送日の良し悪しを一律に避けると決めつけるのではなく、相手の状況に配慮することです。移転当日は引っ越し作業で忙しく、対応の負担になるため避けるのがマナーとして示される場合もありますが、当日午前中であれば問題ないとする考え方もあります。いずれにしても、形式的なマナーにとらわれ過ぎず、事前に先方の都合を確認し、その意向に合わせる配慮こそが最も重要です。
次にオフィス移転のお祝いの選定基準をご紹介します。先ほどご紹介した、いくつかの代表的な定番の贈り物はすべて贈って問題ありません。しかし贈ってはいけないタブーな品があります。あらかじめ知っておかなければ、それらを贈ってしまい、先方に不快な思いをさせてしまう恐れがあります。下記のものは避けましょう。
造花は企業の発展や成長を止める印象を与えてしまいます。またプリザーブドフラワーも避けるべきといわれています。プリザーブドフラワーとは保存加工が施された花を指します。生花ではないため注意しましょう。
包丁やナイフ、ハサミなどの刃物は全般的に避けるべきです。縁を切るというイメージがあるためです。
キャンドルやライター、真っ赤なものなどは「火事」を連想させるため、移転したばかりのオフィスには適していません。
またお菓子の包み紙が真っ赤というのも一般的にタブーに該当します。できるだけ赤以外の色にすることが大切です。
また、これ以外にも、先方のオフィスに置く場所が確保できそうなものを選ぶことも大切です。例えば、観葉植物であってもあまりに大きすぎるものだとオフィスによっては置き場所に困ってしまうこともあります。そのため、置き場所への配慮を欠かさずに行いましょう。
先述の通り、移転祝いのお祝い状や電報を送る際には、移転日の前日または当日に、新しい住所に到着するように送ります。方法としては電報やメール、書面などがあります。
メッセージの内容は定型文があるため、それに沿って書くのが一般的です。
主旨としては、移転を祝福する気持ち、無事に移転に至ったことの成功を祝福する気持ち、そして今後もますます企業として発展するよう、心よりお祈りしていることを伝えることです。
いずれにしても、移転をお祝いする内容と今後のご発展をお祈りする内容が含まれていれば問題ないでしょう。
ただし「忌み言葉」は避けましょう。例えばオフィス移転をしたばかりのときに「閉じる」「壊れる」「流れる」「失う」「落ちる」「燃える」「つぶれる」など、倒産や破産、閉店、火事などを連想させる言葉はタブーといわれています。
では、次は反対に、オフィス移転をした企業が「お祝いを受け取る」ときの対応のポイントをご紹介します。
オフィスであれば、通常、宅配業者や花屋などがエントランスの受付を訪ねてきます。お祝いの花を受け取り、搬入や設置を行うときには次の点に注意しましょう。
植物の設置場所は、一般的にはエントランスや応接室、会議室など、来訪者が利用するエリアが選ばれることが多いです。
植物をエントランスに置く場合は、来訪者の目に触れることになるため、綺麗に飾る配慮をしましょう。後述のフラワースタンドなどを活用することでより綺麗に見せる工夫ができます。
また植物にとって最適な場所を選ぶことも必要です。直射日光は避け、空調の風が直接当たらない、温度変化が極力少ない場所にすることが大切です。
オフィスデザインのコンセプトがある場合は、企業のブランド戦略が意図されていることもあるでしょう。確認せずにエントランスなどに設置してしまうと、意図せず企業のブランド戦略が崩れてしまう恐れもあります。そのため、設置する前に企業のブランド戦略の担当者やチームに確認したほうが良いでしょう。
フラワースタンドを使い、目線の高さである120〜140cm程度に合わせると良いでしょう。複数いただいた場合は、受付の左右に置けばバランスが良くなります。
小さい鉢植えなど比較的小さいサイズの場合は、執務エリアや会議室、リラックススペースなどに設置して、従業員の目に触れるようにすると心温まるでしょう。
オフィスでは消防法の観点から、避難経路や火災報知器、スプリンクラーの周囲に設置してはいけません。まずどこにどんな設備があるのかなどを設備管理者やビルの管理者に確認しましょう。
従業員が業務で移動する際の動線をふさがないようにすることも重要です。オフィス設計者や現場の各部門や部署などに確認すると良いでしょう。
社内でお祝い品の管理者を決め、受け取り時から廃棄処分まで適切に管理するようにしましょう。
管理責任者を決めておけば、すぐに枯らしてしまったり、枯れたまま放置したりすることもなくなります。水やりを行う頻度や担当者を決めておくことも必要です。
オフィスエントランスなどに胡蝶蘭を設置し、飾る場合は、胡蝶蘭の寿命に合わせて飾る期間を調整しましょう。胡蝶蘭は一般的に2週間程度は持つといわれており、長くて1ヶ月持ちます。ただし徐々に枯れていくため、飾れる期間は2週間程度と考えましょう。
胡蝶蘭などのお祝い品をいただいた際のお礼については、基本的に相手との関係性や個別の事情によって変わってきます。一般的には、何か物品をお返しするというよりも、お礼状を送り、相手に感謝の気持ちを丁寧に伝えることが優先されます。
お礼のメッセージは、できるだけ早めに、遅くとも1週間以内には送りたいものです。まずメールや電話でお礼をお伝えし、改めてお礼状を送ると丁寧です。
基本的にお返しは必ずしも必要ではありません。相手との関係によって調整しましょう。地域的な風習や業界の慣習がある場合がありますので、確認することが大切です。
お祝い品として胡蝶蘭や観葉植物をいただいた際は、オフィス環境の改善に積極的に活かしてみましょう。ここでは、グリーンがオフィスにもたらす効果と、具体的な活用術をご紹介します。
グリーンはオフィス環境にさまざまな効果をもたらします。
例えば、従業員の健康に役立ちます。植物が持つ特徴として、快適な環境づくりに寄与する点のほか、湿度の調整にも役立っている点から、快適な環境を作りやすくなります。
また、植物の緑は目に優しく心理的にストレス軽減の効果をもたらすともいわれています。リラックスした状態で業務に励めば、従業員は業務効率向上や生産性向上につながるでしょう。
また、植物は雰囲気を明るくし、活気に満ちた環境作りにも役立ちます。
お祝い品としていただいた花や観葉植物をオフィスに飾ることで、さまざまな効果が期待できます。そこでオフィス環境における活用術をご紹介します。
エントランスや応接室などにグリーンを配置することで、来訪者に対して良い印象を与えることができます。無機質でシンプルなデザインは、オフィスにふさわしいところもありますが、少々、物足りない印象があります。そこにグリーンを配置するだけで、柔らかな印象になり、来訪者も快適に滞在できるでしょう。
エントランスや受付に胡蝶蘭や観葉植物などを設置することで、空間が華やぎ、来訪者に好印象を与えることができます。結果として、企業の雰囲気や第一印象の向上にもつながります。
来訪者はもちろんのこと、そこで働く従業員の快適さにもつながります。すると、外部に対して「リラックスできる働きやすい環境」であることを積極的に発信するようになる可能性もあります。
求人募集の応募者がエントランスを訪れることで、企業の魅力を発信することも期待できます。
近年、働き方改革とともに、従業員の健康やウェルビーイング*が重要視されています。そうした中、先にご紹介したようなグリーンがもたらすオフィス環境への良い影響は、従業員の満足度を向上させることにつながるでしょう。またより良い環境作りに役立つため、職場環境づくりに課題がある場合には、改善できる可能性があります。うまく取り入れて効果を高めましょう。
オフィス移転のお祝いやマナーについてご紹介しました。
贈る側は基本的なマナーを押さえ、相手に配慮した対応が求められます。
一方、受け取る側も、搬入や設置場所、導線、セキュリティなどを事前に整理しておくことが重要です。また、お祝い品の管理や展示期間、お礼・処分のルールも決めておくとスムーズに対応できます。
観葉植物などのグリーンは、空間を整え、来訪者への印象向上や快適な職場環境づくりにも役立ちます。
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