OCRで「請求書」の
入力業務を大幅削減
RICOH 受領請求書サービス
この記事では企業の経理やバックオフィス担当者向けに、請求書のデータ化で具体的にどのようなことができるのか、メリットがあるのかを紹介します。請求書をデータ化すれば業務効率が大幅に向上しますので、サービス導入の検討に役立ててください。
請求書の保管は、所定の条件を満たせばデータだけでもまったく問題ありません。そうはいっても、今まで紙で保管していたものを完全データ化してよいのか心配に思う人も多いでしょう。
請求書のデータ保管が認められるようになった背景を理解するために、まずはその法的根拠を見ていきたいと思います。請求書のデータ保管に関係する法律には「e-文書法」と「電子帳簿保存法」という2つの法律が関係しています。
平成17年に施行されたe-文書法では、これまで紙媒体で保存が義務付けられていた書類の一部が電子データで保存できるようになりました。従来は法令に定められた年数分の書類をプリントアウトやファイリングして保存する必要がありましたが、電子化が認められたことで省スペース、省資源、検索性の向上など様々なメリットが得られるようになりました。
e-文書法と並んでよく名前が登場する法令として「電子帳簿保存法」がありますが、こちらは国税関係書類の電子的取り扱いについて定めたものです。e-文書法は国税関係書類以外の書類にも電子化を認めているので、直接納税に関係ない書類でもデータでの保管が可能とされています。
請求書だけでなく領収書・納品書・見積書などもデータ保管が可能ですので、これらをすべてデータ化すれば大幅な業務効率化が可能です。
請求書のデータ化は、どのような手順で行われるのでしょうか?毎月取引先から送られてくる大量の紙の請求書をすべて手入力でデータ化する…そんな手順を想像する人もいるかもしれません。もちろんそれでも不可能ではありませんが、もっとスマートかつ効率的にデータ化する方法もあります。
請求書のデータ化に役立つサービスは数多くありますが、大きく分けてどのようなタイプがあるか概要をチェックしていきましょう。
最もオーソドックスなのが、AI-OCRやオペレーターがデータ入力するタイプのサービスです。AI-OCRとは、従来のOCR(光学文字認識)にAI(人工知能)によるディープラーニングを組み合わせた最先端の技術を指します。
AIでない通常のOCRでは、あらかじめ登録したフォーマット以外は読み取れません。AI-OCRであればフリーフォーマットの文書も認識できるため、より高度なレベルで自動読み取りが可能な点が特徴です。
AI-OCRの識字率はかなり高いため、目視による再確認がほとんど必要ありません。むしろ人間が入力すると一定の割合で発生する入力ミスなどがなくなり、データの精度は高くなるといえます。
AI-OCRでない従来型のサービスではオペレーターが目視で入力するものがありますが、手間がかかるため割合としてはそれほど多くありません。
ほとんどのサービスでは「AI-OCRでデータ化したものをオペレーターが確認し修正する」という手順を取っているようです。
AI-OCRを活用したデータ化は基本的に外部サービスを利用することになるため、コストがかかります。「まずは社内で対応できる範囲でデータ化に取り組みたい」という企業もあるでしょう。
請求書をスキャンし、入力フォーマットを作って目視で入力する時間が取れればそれも可能です。ただし、後でも説明しますが電子帳簿保存法ではデータの形式や保存が必要な項目など細かなルールがあり、完全な形でデータを作るのは意外と大変です。
「実際に始めてみると思うようにいかなかった」ということもありますので、はじめから内製化にこだわりすぎない方が得策でしょう。
請求書データ化サービスには、スキャンは自社で行いデータを送信するタイプや、紙の請求書を送付してスキャンから行ってもらうタイプなど様々な方法があります。サービスによっては請求書の受け取りから代行してくれるものも出てきていますので、コストと手間のバランスを考えながら自社に合ったものを選ぶとよいでしょう。
「紙ごと預けてしまうとデータ化されるまでの間、書類が確認できない」と不安になるかもしれませんが、単純なAI-OCRなら数時間、人の目によるチェックを行っても数営業日で登録完了するサービスがほとんどです。AI-OCRの登場により、登録スピードを気にする必要もほとんどなくなってきています。
取引先に依頼して、請求内容をこちらが指定したシステムに直接入力してもらう方法もあります。取引先にとってまったく新しいやり方であれば依頼するのに気がひけるかもしれませんが、同じシステムをすでに導入している取引先であれば依頼のハードルが低くなります。実現すれば業務が一気に効率化されますので、検討してみてもよいでしょう。
請求書のデータ化には、業務効率化につながる多くのメリットがあります。書類を保存するスペースの削減や業務工数の削減は想像しやすいと思いますが、それ以外にも紙の削減といった副次的なメリットも得られるのが請求書データ化の特徴です。データ化すればテレワークへの対応も容易になりますので、まさに時代に合った業務効率化だといえます。具体的なメリットについて、掘り下げて見ていきましょう。
請求書は受け取り側も発行側も保存が必要な書類です。毎月発行される双方の書類を印刷し、ファイリングして法律で定められた保存期間取っておくのはそれなりのスペースを必要とするでしょう。またデータを印刷し綴り込むだけでも、量がかさめば相当の作業負担になります。
請求書をデータ化すれば、無駄な場所や手間の非効率を一気に解決できます。
請求書のフォーマットは法律で決まっているわけではないので、取引先によって様式はさまざまです。AI-OCRなどのサービスを使えば請求書を一律のフォーマットに落とし込めるので、請求内容の確認がしやすくなります。
また、膨大な紙の書類から必要なデータを探し出すのは大変です。定型フォーマットにデータ化すれば簡単に検索できるようになるので、後で書類を確認したい時にも大幅な時間短縮になります。
サービスによっては、データ化した内容を会計ソフトに自動連携させてくれるものもあります。会計ソフトとの連携にあたってはCSVデータをダウンロードして会計ソフトに流し込むやり方が一般的ですが、API(ソフトウェアやプログラム同士をつなぐインターフェース)を利用してダイレクトにデータ送信してくれるものもあります。
会計ソフトと連携すれば、請求書から自動的に仕訳データを作成し取り込むことまで可能になります。
近年では請求書を電子データ(PDFなど)で受領する機会も多くなりました。紙媒体で保存する場合はデータをプリントアウトする必要があるので紙を消費しますが、データ保存にすればそもそも印刷する必要がありません。紙が削減できて、環境対策にも寄与できるでしょう。
企業にも環境保護への取り組みが求められるようになってきていますので、副次的なものではありますがメリットとして考えてもよいのではないでしょうか。
請求書のデータ化について定めた改正電子帳簿保存法が、2022年1月に施行されました。これから請求書データ化サービスを選ぶなら、改正後の法律に準じた保存方法のサービスを選ぶことが必須です。
RICOHが提供する「RICOH 受領請求書サービス/RICOH 受領納品書サービス」、「RICOH Trade Automation」は、2022年施行の改正電子帳簿保存法にも対応しています。詳しい情報はこちらからご覧ください。
請求書をデータ保管するには、あらかじめ知っておくべき注意点があります。紙を処分した後に間違いに気付いても対応できない場合が考えられますので、データ保管方法を検討する際にはここで紹介する5つのポイントを忘れずにチェックするようにしましょう。特に、外部サービスを利用せずに社内でデータ化を考えている場合は注意深く対応する必要があります。
改正前の電子帳簿保存法では、国税関係書類(請求書など)のデータ保管には事前に税務署長の承認が必要でした。事前承認がハードルとなりデータ化が進まないという状況を受け、2022年1月の法改正では事前承認が不要になったというのが大きな変化です。
その他にも請求書保存サービス上のタイムスタンプ機能や検索機能に関する要件の緩和が行われ、これまで以上に請求書のデータ化に取り組みやすい環境が整えられました。
ただし電子帳簿保存法に違反した場合の罰則規定は、これまで以上に厳しくなっています。きちんとルールを守った運用を心がけましょう。法令違反が心配であれば、電子帳簿保存法の改正に対応した請求書データ化サービスを利用するのが安心です。
データ化した請求書は、何も対策がないと容易に改ざんができてしまいます。そのため電子帳簿保存法では改ざん防止策としてタイムスタンプ(請求書をいつ作成したか、またいつ受領したか分かる記録)が必須でした。ただし、2022年施行の法改正により「訂正や削除を行った場合に履歴を確認できる、もしくは訂正や削除自体ができないクラウドサービス」を利用する場合タイムスタンプは不要と変更されています。
要件を満たしたクラウドサービスを利用しない場合は引き続きタイムスタンプを押す必要がありますので、社内でデータ化を行っている場合は注意してください。
税務調査が行われた際にデータを探しやすくするため、日付・金額・取引先などの条件で検索できるようにされている必要があります(法改正前は日付や金額の範囲指定検索などの条件がありましたが撤廃されました)。また国税関係書類の帳簿と紐づけが行われていること、システム関係書類が準備されていることなどの条件を満たしていなければなりません。
請求書を画像データで保存する場合、あまりに解像度が低いと読み取りに支障が発生します。電子帳簿保存法では解像度200dpi以上、カラー画像(RGB256階調以上)であることが求められます。スキャナの解像度が低い、白黒しか対応していないなどの場合は対応できるスキャナを準備するか、スキャンも代行してくれるデータ化サービスを選びましょう。
請求書などの日々の取引に関係する書類は、7年間(欠損金がある事業年度は10年)の保存が義務付けられています。ただし請求書をデータ化していれば、紙で保存する場合のように保管場所が問題になることはありません。クラウド上で故意にデータを削除するようなことがなければ、特段問題となることはないでしょう。
なお紙媒体でもデータでも、請求書の保存期間が7年間なのは一緒です。
5つの注意点を解説しましたが、請求書データ化のクラウドサービスを利用すればこれらの注意点は意識せずにカバーできるようになっています。これから請求書データ化サービスを考えるなら、2022年施行の法改正にも完全対応したクラウドサービス「RICOH 受領請求書サービス」「RICOH Trade Automation」の導入を検討してはいかがでしょうか。
初めて請求書のデータ化に取り組む企業では、紙に記載された内容がデータ化によって確認できなくなることを心配する声もあるのではないでしょうか。一般的な請求書データ化サービスでは、支払管理や会計ソフト計上に必要な項目はすべてデータ化が可能です。
具体的には発行者名、請求日、支払期限、支払先口座、請求金額、税区分ごとの金額の内訳などがデータ化される項目の基本的なものになります。
データ化された請求書はほとんど間違いありませんが、まれに誤認識や入力ミスなどで肉眼での確認が必要になる場合もあります。そうした場合でも、スキャンした画像データが保存されているので後から目視で確認することが可能です。紙を廃棄してしまったとしても画像データでいつでも確認できるので、紙での保存に慣れ親しんだ人でも安心できるのではないでしょうか。
請求書のデータ化は、使いやすく信頼できるソリューションを選ぶことが成功の秘訣です。取引先から紙やPDFで受け取った請求書をOCRでデジタル化するなら、RICOH 受領請求書サービスをぜひご検討ください。無料でダウンロードできる導入検討ガイドには、RICOH 受領請求書サービスのメリットや機能概要、活用例、システム概要がすべて集約されています。
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