LEDビジョンとは、LED搭載の大型ディスプレイを指し、屋内外のさまざまな場所に設置され、高解像度・高輝度などによるインパクトから、広告や販促、案内表示までさまざまな情報発信に活用されています。
LED(Light Emitting Diode)は長寿命、省電力などの特長を持ちます。LEDビジョンはLEDの粒がピクセルとなり、その集合体が映像表現を行う仕組みのため、一般的な液晶ディスプレイと比べて遠くからでも精細に見えます。
またLEDビジョンと聞いてデジタルサイネージ(電子看板)をイメージする方もいるかもしれませんが、デジタルサイネージはディスプレイと映像表示の仕組み全体のシステムを指します。またLEDビジョンのほか、液晶ディスプレイを利用することも多くあります。
LEDビジョンがもたらすメリットには次の点が挙げられます。
LEDビジョンは大画面ならではの迫力に加え、高い解像度と輝度、コントラストによる優れた画質を提供します。さらに動画コンテンツを映し出すことで、より多くの視線を集め、広告や販促効果を高めます。
LED活用により、消費電力の抑制につながり、コストパフォーマンスを引き出します。また長寿命であり、破損時も一部のパネル交換で完了するなどのメンテナンスのしやすさから、長期利用による投資回収率も高くなると考えられます。
LEDビジョンを採用している時点で、先進的なイメージ訴求による企業価値向上につながります。さらに広告などはインパクトがあり、SNSやメディアへの拡散効果による、さらなるブランディング効果を見込めるでしょう。
LEDビジョンは、小さなパネル(モジュール)を組み合わせて構成されるため、多様なサイズや形状に柔軟に対応できる設計の自由度が非常に高いのが特長です。平らな壁面だけでなく、建物のコーナーを活かした曲面や、ショッピングモールの柱に巻き付けるような設置、さらに窓やガラスを通して向こう側が見える透過型など、設置場所の条件や店舗のデザイン要件に合わせたカスタム設置が可能です。既存の看板や一般的なディスプレイでは実現が難しかった、より独創的で目を引く空間演出や情報発信を可能にし、商業施設、スタジアム、公共空間など、あらゆる場所でそのポテンシャルを発揮します。
LEDビジョンは、その用途や設置場所に合わせて多種多様なモデルが存在します。導入で失敗しないためには、目的と環境に合った種類を見極めることが重要です。
屋外用LEDビジョン
太陽光の下でも鮮明な視認性を確保するため、高輝度の設計になっています。また、雨や風、塵に耐える防塵・防水設計が多く、耐久性に優れています。看板や大型ビジョンとして、駅前やビルの外壁などに使われます。
屋内用LEDビジョン
視認距離が近いため、高精細な映像を表示できるよう、LED素子同士の間隔が非常に狭いピッチサイズのモデルが主流です。会議室、ショールーム、イベント会場などで、クリアで美しい映像表現に活用されます。
透過型(シースルー型)
LEDパネル自体に透過性があり、設置してもガラスの向こう側が見えるため、採光を妨げません。店舗のショーウィンドウやビルのガラスウォールなどに最適で、店内からの景観も保てます。
フレキシブル型(曲面・湾曲型)
柔軟性のある素材や構造で、ディスプレイを曲面や円柱の壁面に沿って設置できます。従来の四角いディスプレイでは実現できなかった、斬新な空間演出やデザインを可能にします。
床面型
高い耐荷重性と防水性を持ち、床面に埋め込んで設置します。踏んでも壊れず、イベントのステージやアミューズメント施設でのインタラクティブな演出などに利用されます。
LEDビジョンの導入事例と活用シーンを見ていきましょう。
大型のLEDビジョンといえば、よく目にするのが駅前や大規模商業施設での広告活用ではないでしょうか。インパクトのある訴求は高い広告・販促効果を見込めます。季節やセール時期に合わせたダイナミックな映像の切り替えにより、タイミングよく訴求し、販促効果を高められます。
LEDビジョンは、企業のショールーム・受付スペース・会議室にも導入されています。企業ブランドイメージや商品・サービスを紹介することで、視覚的に強調する演出が可能です。また大きな会場において、株主総会や記者会見の場で活用することで臨場感のある大々的な演出も可能です。
発表会や展示会での高精細なプレゼンテーションに活用することで、迫力のある印象に残る演出が可能になります。
大会場では遠方からは確認しにくい登壇者のアップの映像を大画面で流すことで、間近で見ているかのような臨場感あふれるステージ演出が可能になるでしょう。
LEDビジョン導入前に、事前に押さえておきたいポイントをご紹介します。
LEDビジョンのサイズや解像度、明るさは、視認距離と設置環境に合ったものを見極める必要があります。景観的に規制がある公共スペースや屋外では、設置可能かどうか、事前に規制・許可の確認を行いましょう。
LEDビジョンに映し出すコンテンツは精度の高いものが求められます。プロモーション目標に合った訴求内容のプランニングから制作まで、精度の高いコンテンツ制作を実現する体制を、制作コストと運用オペレーションも加味して整備しておきましょう。
LEDビジョンの導入・ランニングコストをあらかじめ試算しておくことで、コストパフォーマンスを高めることが可能です。ハードウェア購入費・設置費・電気代・メンテナンス費の内訳を算出しておきましょう。
LEDビジョンの導入費用は、一般的な液晶ディスプレイを用いるデジタルサイネージと比較して高額になる傾向がありますが、長期的な運用を見据えたコストパフォーマンスの高さが魅力です。適切な予算を組むために、導入にかかる費用の内訳を理解しましょう。
LEDビジョンの初期費用は、主に「ハードウェア費用」「付帯機器・設置工事費用」「コンテンツ制作費用」の3つに分けられます。
ハードウェア(LEDビジョン本体)の費用
LEDビジョン本体の価格は、その仕様によって大きく変動し、小型の屋内用高精細モデルで数十万円から、大型の屋外用高輝度モデルでは数百万円、大規模なシステムになると数千万円となるなど、非常に幅広いのが特長です。
価格を左右する主な要因は、まずサイズとピッチサイズ(解像度)にあり、画面が大きくなるほど、またピッチサイズが小さく高精細になるほど高額になります。さらに、屋外に設置する場合は、太陽光下での視認性を高める高輝度化や、悪天候に耐える高レベルの防塵・防水設計(IP規格)が求められるため、屋内用に比べて高額になる傾向があります。
付帯機器・設置工事の費用
LEDビジョン本体の費用以外に、設置やコンテンツ配信に必要な付帯コストが発生します。まず、設置工事費用として、設置場所の構造補強、足場設置、電源・配線工事、取り付け工事が必要です。特に大型の屋外設置や、曲面、透過型といった特殊な形状の場合は費用が高くなる傾向があります。また、映像信号をLEDビジョンに送るためのSTB(セットトップボックス)や、ネットワーク機器などの配信機器の購入費用も発生します。
コンテンツ制作費用
LEDビジョンの性能を最大限に活かす動画や静止画コンテンツを制作する費用も初期費用に含まれます。視聴者に強い印象を与える高品質な動画コンテンツは、その制作の複雑性や時間に応じて数万円から数十万円と幅があり、自社での制作体制の有無によってコストが変動します。さらに、コンテンツの再生スケジュールなどを管理する配信管理システム(CMS)のセットアップ費用やライセンス費用も必要となります。
LEDビジョンを維持・管理するために継続的に発生するランニングコストも考慮しておく必要があります。
大型・高輝度であるために稼働時間に応じて電気代が発生しますが、近年のLEDビジョンは省エネ性能が向上しています。また、定期的にコンテンツを更新する場合は、その制作・配信にかかるコンテンツ更新費用が必要です。万が一の故障や定期点検のためのメンテナンス・保守費用もランニングコストであり、LEDビジョンはパネル単位での交換が可能なため、液晶ディスプレイに比べてメンテナンスコストを抑えやすいという特長があります。
クラウド型の配信管理システムを利用する場合は月額のシステム利用料も発生します。導入の際は、これらの初期費用とランニングコストを総合的に試算し、長期的な費用対効果を検証することが成功の鍵となります。
LEDビジョンを実際に導入する際のステップを見ていきましょう。
まずは「どのような目的でLEDビジョンを活用するか」を課題と共に整理し、要件定義を行います。LEDビジョン選定に役立つほか、導入後の運用体制やコンテンツ更新頻度を考慮することで、運用がスムーズにいくでしょう。
LEDビジョンのハードウェアとベンダーを選定します。価格や導入目的に合致する機能のほか、ベンダーの実績・サポート体制・アフターサービスを比較して入念に検討することをおすすめします。具体的にはデモの実施により目的は達成できるか、操作性はどうか、参考事例や過去実績に自社と同様の業界や用途での活用があるかなどを確認しましょう。
導入後の運用フェーズでは、新製品プロモーションやブランド認知度向上など、KPIを設定し、最終ゴールに近づけるように運用していきます。コンテンツは定期的にアップデートし、視聴者を飽きさせない工夫が重要です。
リコーのLEDビジョンは、集客・情報発信・ブランディング強化を目的に、様々な業種での導入が進んでいます。ここでは、金融機関、商業施設・自治体、学校における導入事例をご紹介します。
人通りの多い駅前やロードサイド店舗では、高輝度LEDビジョンや透過型LEDビジョンが店舗の外に向けて設置され、ダイナミックな情報発信を実現しています。大画面でキャンペーン情報やサービス内容を訴求することで、地域の皆様への認知度アップと新規顧客の来店を促進しています。特にガラス張りの店舗では、透過型LEDビジョンを採用することで、店内の開放感や自然光の採光性を保ちながら、インパクトのある情報発信を両立できる点が評価されています。また、本部からコンテンツを遠隔配信できるため、ポスターの貼り換えなど、支店での情報更新にかかる業務負荷の削減にも貢献しています。
アーケード街や公共スペースに大型LEDビジョンを設置することで、街全体の回遊性と賑わいの創出に貢献しています。商店街の情報だけでなく、観光案内やイベント情報、さらには地域の学校の活動紹介といった多様な情報を発信し、地域の交流を促進しています。お祭りやイベントのライブ配信など、動きのあるコンテンツを展開することで通行人の視線を集めて集客力を向上させているほか、地域企業からの広告配信の依頼を受けることで、デジタルサイネージ自体を新たな収益源としても活用しています。
ガラス張りのキャンパス壁面などに透過性に優れた大型LEDビジョンを設置し、先進的なイメージとダイナミックな広報を実現しています。これは、専門性の高い大学のブランディングに寄与しており、透過型を採用することで、大画面を設置しながらも空間の開放感と自然光の採光性を維持しています。大学紹介動画、学生の作品、卒入学式のメッセージなど、多岐にわたるコンテンツを学内外にタイムリーに発信することで、校内における情報交流の活性化や大学と地域の連携促進につながっています。
店舗からホテル、病院、銀行、学校、オフィスまで、デジタルサイネージ(電子看板)の業種・業態別のソリューションをご紹介します。
デジタルサイネージの特長や活用目的、実際に導入されたお客様の声などをわかりやすくまとめた“デジタルサイネージ まるわかりガイド”をご用意いたしました。
ぜひご一読ください!
デジタルサイネージとは
コンテンツ配信の3つのパターン
4つの活用法
業種・業態別活用例
リコーのデジタルサイネージのご紹介
(特長、導入に必要なもの、コンテンツ配信の流れ、機能紹介)
お客様の声~こんな活用をしています!
その他無料ダウンロード資料のご案内
購入をご検討中のお客様へ
ご購入前のお問い合わせはこちらから受け付けています。お気軽にご相談ください。